前原さんも所信表明演説してみたら? ~政権交代のためのウルトラC~

 

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昨日、国会で小泉首相所信表明演説を行った。 ------------------------------- ★第163回国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2005/09/26syosin.html (前略)資金の「入口」の郵政民営化だけではなく、「出口」の政府系金融機関の改革に取り組んでまいります。 「地方にできることは地方に」という方針の下、4兆円程度の補助金改革、3兆円規模を目指した税源移譲、地方交付税の見直しの三位一体の改革について、地方の意見を真摯に受け止め、来年度までに確実に実現いたします。 小泉内閣発足以来、公共事業費を約4割削減するなど、既に10兆円に上る歳出改革を断行しました。2010年代初頭には、政策的な支出を新たな借金に頼らずにその年度の税収等で賄えるよう、財政構造改革に全力で取り組みます。国家公務員の給与に関し、都会と地方それぞれで民間の給与実態に合わせるなど給与体系を見直すとともに、国家公務員の定員の純減目標を設定し、総人件費の削減を実行します。 私は、このような構造改革を断行し、政府の規模を大胆に縮減してまいります。 (後略) ------------------------------- 構造改革については上記のように「郵政民営化」「政府系金融機関の改革」「三位一体の改革」「財政改革」「公務員の給与減・定員減」が示された。 一方民主党の前原新代表はそれをこう批判する。 ------------------------------- ★前原代表談話 郵政以外具体性なし http://www.sankei.co.jp/news/morning/27pol003.htm 郵政民営化問題以外はまったく具体性がなく、今国会は郵政だけに集中されるのかという思いがした(後略) ------------------------------- 民主党の鳩山さんも代表であったとき、小泉首相所信表明演説に対し、構造改革について「具体的ではない」「中身がない」と批判していた。民主党所信表明演説に対する批判は、テンプレートでも決まっているかのようにワンパターンだ。 前原さんも「次の内閣」の総理大臣なら、自分も「私ならこういう所信表明をします」と、マスコミの前で咳払いの一つでもして演説をぶったらどうか。「具体性がない」と批判されないような(笑)。 なんて思っていたら、話題の自民党新人議員・杉村太蔵君の方が先に「所信表明」演説をしていた(笑)。 ★杉村太蔵議員「発言を反省」 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1412091/detail?rd これは余話として、「対案を出す」と言っていた前原民主党だが、対案づくりが難航している様子。 ------------------------------- 産経新聞平成17年9月27日朝刊(ネットにはこの記事はありません) ◆民主、対案作り難航 自民と差なく異論相次ぐ 民主党は二十六日、政府の郵政民営化関連法案への対案づくりに着手したが、前原誠司代表の主張に沿って示された基本理念に対し、「小泉内閣と方向性が変わらない」などと異論が噴出。執行部の指導力が早くも問われることになった。 前原代表は衆院選の敗因について、郵政民営化法案の対案を出さず、自民党から「守旧派」のレッテルを貼られたことにあると指摘。執行部は今国会に対案を提出する方針を固めている。 しかし、この日開かれた郵政改革調査会(会長・原口一博「次の内閣」郵政改革担当相)では、郵便貯金、簡易保険について段階的に縮小、「最終的には原則廃止または民営化」とした基本理念に対し、「審査能力もないのに郵貯銀行をつくってどうするのか」などと反論や注文が相次いだ。 執行部は三十日をめどに「次の内閣」で対案を決定したい考えだが、難航は避けられない状況だ ------------------------------------------------- 対案もまとめられずに「具体的な」「中身のある」所信表明演説もできないだろう、と思っていたのだが、民主党の郵政改革調査会で対案の要綱がまとめられた、とのこと。 ------------------------------------------------- ★郵政対案、民主も民営化に傾斜 「反対勢力」の回避狙い http://www.asahi.com/paper/politics.html 民主党は27日、政府の郵政民営化法案への対案の要綱をまとめた。郵便貯金日本郵政公社の子会社とし、簡易保険の廃止や公社職員の非公務員化を盛り込むなど、総選挙のマニフェスト政権公約)と比べると「民営化」へ近づいた内容だ。郵貯の段階的縮小や郵便事業の公社維持といった政府案との相違点はあるものの、政府・与党からの「民営化に反対する勢力」といった批判をかわす狙いが濃厚だ。(後略) ------------------------------------------------- 対案は本来、先の国会で出すべきでもので、夏休みの宿題を3学期に出したような格好だが、周回遅れでも出さないよりはマシであり、前原民主党の姿勢は評価できるものだと思う。郵政民営化法案に対案すら出さず、反対票を投じて小泉首相を追い込み、解散が決まった瞬間「これで政権交代だ!」と笑顔でガッツポーズしたものの、総選挙では大惨敗を喫した結果から、大いに学習したことと思う。 周回遅れで郵政民営化法案への対案の要綱はまとまったが、一方で前原新代表の売りである改憲についても、現在小泉自民党が一歩リードしている感がある。こういったものに対するマスコミの注目度・報道姿勢は、与党と野党で差があるのかもしれないが。 ★環境権、知る権利など明記 自民改憲案に新たに5つ http://www.sankei.co.jp/news/050926/sei110.htm 郵政民営化法案の対案づくりにしても、改憲案づくりにしても、民主党内の抵抗勢力が妨げになることだろう。民主党の方針やマニフェストにしても、前原新体制になったのだから、ゼロベースで見直すべきだ。単に方針を引き継ぐだけではジリ貧になるばかり。思い切った方向転換をするべきだし、しても許される時期だと思う。 さて、最近私は単に「自民党」「民主党」と書かず、場合によっては「小泉自民党」「前原民主党」と、党首の名前を党名の前につけることにしている。これは、小泉首相の登場以来、党の体質だけではなく、党首の方針や性格やリーダーシップが非常に重要になってきたからだ。それが有権者にとっても大きな選択の基準となっている。特に小泉首相は、党が言うことをきかなければ、党をぶっ壊してでも言うことをきかせる、そういう激烈なリーダーシップを今回の解散総選挙で発揮したと国民には見られている。 あるテレビ番組で「民主党をぶっ壊しますか?」の質問に前原代表は「×」の札を挙げていたが、既存の民主党をぶっ壊す覚悟で行かなければ党の再生は無理だろう。このままでは本当に自民党をぶっ壊した感のある小泉首相の後継者に勝てないことは明白だ。 前原民主党政権交代を果たすためのウルトラCは、もしかすると憲法改正にあるのではないかと私は考える。小泉自民と積極的に協力して、戦後初の憲法改正を行うのだ。そうして歴史に名を残し、国民に感動を与える。そのインパクトを保ちつつ、自民党の法案を改革路線・小さな政府路線で超えるような対案を出していく。反対する左派の議員には「どうぞ社民党へお戻りください」と三行半を突きつけ、反対する利権派の議員には「どうぞ国民新党へでもお行きください」と破門状を回す。 すると国民は、「小泉構造改革路線の真の後継者は、前原民主党ではないか」と思い始めていくのではないだろうか。それを前原代表が否定しても。 いずれにせよ、ぶっ壊した者勝ちのチキンレースの勝者が、4年後に政権を握るのではないかと私は考える。まあ、風向きはいつ変わるか分かりませんが(笑)。