一年の計は元旦にあり?・・・今年の元日

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昨年の大晦日は夜まで家庭教師をやって、家に帰って年越しそばを食べながらK-1を見て、年を越した瞬間に布団に入って、元日の朝5時に起床して、7時に老人ホームに出社しました。元日どころか、前後6週間の日曜日はすべて勤務日で、1月2日・8日の祝日も出勤。日・祝日が特別忙しい職場でもないのに、こういうのってどうなんだろうと思いつつも、出勤しましたが・・・

出勤すると早速、動き回るためにオムツがずれ、多量の大便で衣服を汚してしまったおばあちゃまが。そんなときも、にっこり笑って「たくさん出てよかったですね。すっきりしたでしょう」と声をかける。そうやって安心していただくのも仕事なので。実際、便が出ないと大変ですし。まあ、これくらいならもう慣れているので、テキパキと処理。

その後、別のご隠居がベッドにお茶をこぼしてベチャベチャに。「水も滴るいい男ですね」と、泣き顔のご隠居に声をかけつつシーツ交換。

食事介助を終え、ある部屋の前を通りかかると強烈なウンコの臭いが・・・ノックをしておそるおそるドアを開けると、まず目に飛び込んできたのが、ケーキにチョコレートクリームでデコレーションしたように、シーツに大便を指で塗りたくったベッド。床は、スリッパで円を描くように大便をこすり付けて、まるでミステリーサークルのような奇怪な模様がついている。ゴミ箱には多量の大便のついた下着がダンクシュート・・・そこに土を入れて、種を植えれば、いい肥料になったかもしれません(笑)。

これを実行したのは誰なのか。古畑任三郎でなくても、その人物は、ベッドでぼんやりと天井を見上げている彼女だと断定できる。何故なら、ウンコの跡が、ベッド周辺から外にはついていないから(笑)。しかし、彼女は私の「ウンコがいっぱいついてるけど、○○さんがやったの?」という問いに対して「私は知らん」と回答。どうやら、古畑任三郎ファイナルに出たイチローとは違って、「フェア」ではないようだ(笑)。まあ、フェアとかアンフェアとか、そんな境地からはとっくに超越した場所に彼女の精神は存在してますからね。

元日は入浴の予定はなかったのですが、急遽このおばあちゃまには初風呂につかっていただきました。

ウンコにまみれた部屋を掃除しながら、ふと、幕末の三舟勝海舟山岡鉄舟高橋泥舟)の一人、山岡鉄舟の逸話を思い出しました。山岡鉄舟は剣の達人であると同時に禅についても深い境地を得ていた人でした。ある日、鉄舟の弟子が道場で激しく嘔吐し、多量の吐しゃ物が床を汚してしまいました。すると鉄舟は、修行の一環だと言って、床に口をつけて、なんとその吐しゃ物をすべてすすり上げ飲み干してしまったというのです。

その逸話を思い出しながらも、私にはそんなことはできやしませんでしたが・・・せいぜいきれいに掃除するくらいで・・・悟りを開くとか大悟には程遠いですね(笑)。

掃除が終わり、おむつ交換に回っていたところ、低いベッドに寝ている体重の重い方のオムツの交換の途中で腰を痛めてしまいました。退社後、帰宅途中でどんどん悪くなっていって、正月の挨拶をしに実家にたどり着いた頃にはまともに歩くことができなくなりました。

すると親父が「うつぶせになれ」と言って、私の腰を踏み始めました。人体の構造や医学をまったく無視した荒療治でしたが、そのお陰か(?)少しマシになりました。

「一年の計は元旦にあり」なんていいますが、計もくそも、まったく考えられない元日でした。ガテン系の仕事なので、せめて、身体を壊さず、病気にならず、暮らしていけたらなあとしか。

この間テレビで東京都足立区の社会福祉協議会の人が「若者は介護の仕事が3Kなので嫌う。介護の主力は中高年」と言っていました。確かに、夢を追いたい若者にとってはエグイしキツイ仕事だと思います。「ニートに介護の仕事をさせろ」とかコメンテーターが言っていましたが・・・公務員にでもなれたら別でしょうけどね。

けれども少子高齢化・人口減少が進行していきますから、日本も早めに有効な「計」を立てなければなりません。でも、有効な「計」ってのが、なかなか見つからないのが現状ですしねえ・・・