野田国対委員長の責任が一番重い

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私は、民主党野田佳彦国会対策委員長を応援するある団体の会員になっている。ある方からお誘いがあったので入会した。会員番号を自由に選べるということだったので「誰も選びたがらない番号を」と、69番を選んだ。写真は、その応援団体の集まりのときに「チェキ」という小さなポラロイドカメラで撮ってもらった野田議員と私のツーショット。野田さんはホントに顔がでかい(笑)。

さて、ガセ「堀江メール」問題について、再三辞意を示唆したご本人が重々ご認識のとおり、一番責任が重いのは野田国対委員長だろう。

産経新聞2/24「『堀江メール』野田氏、委員長辞任示唆」
http://www.sankei.co.jp/news/060224/sei072.htm

≪永田氏を慰留 代表引責は否定的≫

 民主党野田佳彦国対委員長は二十四日午前、「堀江メール」問題に関し、「私の責任が一番重い」と述べ、メールの信憑(しんぴょう)性が立証されなかった場合は国対委員長を辞任する考えを示唆した。また、辞意を漏らした民主党永田寿康衆院議員(36)=比例・南関東=の進退については「犯罪者ではない人が除名されるとか、辞職せざるを得ないということは国会としておかしい」とし、慰留する考えを重ねて表明。前原誠司代表の引責の必要性も否定した。(後略)★



写真のツーショットを撮る直前、私は野田議員に「あの質問主意書には感動しました!是非今度一緒に靖国神社に参拝しましょう!」と少し意地悪な質問をした。そうすると、野田議員は、私ごときのつまらない人間に対して、90度以上の深々としたお辞儀をされた。お辞儀をしただけでイエスともノーとも答えなかったのだが、その時私は「この人は、さすがに随分慎重な人だな。礼をして相手に敬意を示したものの、明確な答えは示さない」と、野田議員の態度に感心した。しかし、このガセ「堀江メール」問題については慎重さが足りなかったようだ。

上の記事のように、責任を一身に背負い、男らしく潔く、国対委員長を辞するのかと思っていたのだが、そうではないような流れになっている。

産経新聞2/28「堀江メール 永田氏、辞意撤回へ 民主執行部きょう会見 進退に触れぬ方針」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/28iti002.htm
(前略)

 ■執行部、三者三様

 ■前原氏無言貫く/鳩山氏は積極的/野田氏…発言に矛盾

 政府・与党を追及するはずの「堀江メール」問題で、絶体絶命のピンチに陥った民主党。二十七日夜には、メールの送受信者が黒塗りのまま確認もせずに国会質問していたことが新たに判明。二十八日の会見内容次第では、執行部の責任論が噴出する可能性もある。

≪渦中の人は…≫

 永田寿康衆院議員の謝罪会見でポイントになるのは、(1)議員辞職の意向を撤回して政治責任を果たせるのか(2)メールを本物と信じた理由をどう説明するか-という「身の処し方」と「メールの真偽」の二点だ。

 永田氏は二十三日、いったんは議員辞職の意向を漏らし、同日夜に都内の病院に入院した。永田氏はかつて、出身校の東大生のサークルが運営する「Akamon.net」のインタビューに、「ぼくとか民主党が目指している社会というのは、失敗した人が責任をとるという社会なんですよ」と発言。党幹部に慰留されたとはいえ、謝罪だけで済むのか。自民党提出の懲罰動議の行方とあわせ、党内外で批判が渦巻くのは必至だ。

 質問の経緯をめぐっては二十七日、これまで黒塗りされていたメールの送信者と受信者が情報を提供した「フリーの記者」とみられる同一人物で、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者とは別人との疑惑が浮上した。

 野田佳彦国対委員長は同日夜、「もともと黒塗りだった。送受信者を知っていて質問したわけではない」と、“自作自演”との見方を否定した。しかし、野田氏は十七日夜、永田氏は送受信者欄を見ていると明言しており、矛盾が露呈した。

 野田氏の言う通りだとすれば、送受信者や固有名詞が黒塗りだったメールをなぜ、信憑(しんぴょう)性が高いといえたのか。また、永田氏と「フリーの記者」との関係や、何を根拠に信用できると判断したのかの説明も待たれる。

バラバラ

 「(メール問題の先には)巨大な闇がある」と言い続けてきた前原誠司代表は二十七日、終日無言を貫き、午後四時過ぎには早々と都内の議員宿舎にこもってしまった。

 「ボロボロになっても九月までの任期をまっとうする」と周囲に語る前原代表。二十八日の記者会見では「断定的に質問したこと」を陳謝するものの、「政治とカネの関係を追及していく」との姿勢を崩さない方針だ。

(中略)

 与党内には「表面的な謝罪をして済む問題ではない」(武部勤自民党幹事長)との強硬論が再燃しつつある。小泉純一郎首相は二十七日夜、衆院議長公邸で行われた河野洋平議長らとの懇親会の席上、民主党の混乱について「親分(前原代表)が腹を切る方法もあれば子分(永田氏)が腹を切る方法もある」と言及した。
                  ◇
 【民主党幹部の主な発言】

 ■前原誠司代表

 ▽確度の高い情報だ。党を挙げて追及をしていく=16日、代議士会で
 ▽民主党はたくさんの情報を精査してきた。メールは信憑性の高いものだ=17日、講演で
 ▽確証を得ている。国政調査権の発動に応じるのであれば、銀行口座名、口座番号を含めてしっかり提示する=22日、党首討論
 ▽今の段階で(永田氏辞職の)必要は全くないと思っている=24日、記者団に
 ▽断定的に永田氏が国会で質問したことは、おわびを申し上げなければいけない。背後にある政治と金の関係を検証し、野党第一党としての責任を果たしていきたい=26日、NHKの番組で

 ■野田佳彦国対委員長

 ▽永田氏から情報源とのやり取りを聞き、確度の高い情報だと認識した=17日、記者会見で
 ▽ライブドアと武部氏周辺の資金的な流れの解明に全力を尽くすのがわれわれの責務=23日、国会内で
 ▽国会の中の責任は一番私にある。やり方の問題、確かな証明ができていないところは、少なくとも反省しなくてはいけない=26日、記者団に(後略)★



これでは民主党は「他人に厳しく、自分に甘い」と国民に思われるだろう。与党を厳しく追及しても、説得力がない。「そこまで厳しいか」と思えるくらい、自分を律する姿にこそ人々は感動するのではないか。

それに、国対委員長を辞任したら何だというのだろう。議員まで辞職するわけではない。「結局誰も何の役職も辞めなかった」では、国民は納得しないところまできている。誰かがけじめをとらなければいけなし、男らしく責任を負った人間が株を上げることになると思うのだが。

私は、与野党問わず、改革派の人達を応援している。特に野田議員には期待してきた。前出の野田応援団体も、「なんとしても議員の席にしがみついて、俺達の利権のために働いてくれ」という団体ではないはず。「高い志を実現してくれ。俺達は何の見返りも求めない」という人達だと思う。

メールはガセでも、深い闇、「ライブドアと武部氏周辺の資金的な流れ」が実際あるならば、国対委員長を辞したあと、小泉首相の任期まで、それを徹底的に追跡して証拠をつかめばどうか。地に潜り、肩に桜吹雪の刺青をして、遊び人に扮して・・・いやいやそこまでは言いませんが(笑)、深い闇を追って右翼に刺殺された故石井紘基代議士くらいの情熱をもって取り組めば、もしそこに本当に闇があるなら、何かが出てくるかもしれない。


民主党が責任問題を有耶無耶にしようとしているときに、小泉首相はこんな方針を示した。

産経新聞2/28「退任まで離党議員の復党認めず 小泉首相
http://www.sankei.co.jp/news/060227/sei095.htm

 小泉純一郎首相は27日夜、昨年郵政民営化関連法案に反対し自民党を離党した衆院議員の処遇について、9月の退任まで復党は認めない考えを明らかにした。官邸で記者団の質問に答えた。

 首相は「(復党は)当分無理だ。まだ国会は終わっていないし、来年の参院選もある」と指摘。小泉政権の間は認めないのかとの問いに「そうだ」と述べた。(後略)★



これでは国民は「小泉自民党は原理原則を貫き、前原民主党は身内に甘い」と思う。民主党がなあなあで済まそうとした矢先に小泉首相から追い討ちを浴びせられた格好だ。

小泉首相がかつて郵政大臣を務めたとき、宮沢首相の進退問題を批判して大臣を辞任したことがあった。自分の地位に汲々とせず、無欲で自然体であるところが小泉首相の最大の魅力だ。「議席では適わないが、人間性では与党より野党のほうが上だな」と国民が思わない限り、政権交代は難しいだろう。

今日の午後に記者会見があるそうだが、自党で決めた処分よりも、国民や国会が求める処分のほうが重ければ恥だ、とくらいに思って、ぜひ国民が納得するような「議員を律する基準」を見せて欲しい。

野田議員の「サムライソウル」に期待しております。