最近気になったビフォーアフター

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今日の朝刊のテレビ欄を見ると、テレビ朝日系の「大改造!!劇的ビフォーアフター最終回2時間スペシャル」が夜7時から放送されるとのこと。

「ビフォーアフター」アスベストで終止符
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-060128-0006.html

(前略)アスベスト問題が、人気番組を直撃した。アスベストは古い家に使われるケースが多い。同番組は視聴者から依頼を受け、古くて使い勝手の悪い家などを「匠(たくみ)」と呼ばれる一線の建築設計士が大胆にリフォームする。昨年、アスベスト関連法が施行され、家の解体にはアスベストの調査・分析に時間がかかるようになった。1つの物件につき、依頼から調査、解体、リフォーム、完成までにそれまで3~4カ月だったのが、施行後はプラス2カ月の半年近くかかるようになったという。(後略)★


アスベスト関連法施行のビフォアとアフターで、番組の運命が劇的に変わってしまったということだが、この番組以外にも、最近気になった「ビフォーアフター」がいくつかある。

まず、女子フィギュア。トリノ冬季オリンピックが始まる前までは、フィギュアスケート女子の人気は、安藤美姫村主章枝荒川静香の順だったはず。「ミキティの4回転ジャンプが決まるか」なんてことばかりで、荒川なんか地味な存在だったのに、荒川がショートプログラムで3位に入り「メダル圏内」と言われだしたころから「イナバウアー」が注目を集めだし、金メダルを獲ると、カワウソが背中を反り返らせただけで「カワウソもイナバウアー!」なんて騒ぎに(笑)。

次にガセメール問題。マスコミは「堀江メール」が出た当初は嬉々として「武部・堀江 底なしの癒着」などとデカデカと書いていたのに、ガセと知れたとたんに連日の永田議員叩き。

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また、永田寿康衆院議員が最初に謝罪会見をしたときには「メールは本物でない」という奥歯に物の挟まったような言い方であったが、民主党に厳しい世論調査の結果が出始めたせいか、全国紙と北海道新聞に掲載した謝罪広告には明確に「メールは全くの偽物」と。

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読売新聞「永田氏『メールは本物でない』…衆院は懲罰動議を付託」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5900/news/20060302i113.htm
(前略)これに先立ち民主党は2日昼、自民党の1日の公開質問状に対し、<1>メールの真偽は「本物ではない」とした党声明の通り<2>メールに基づく武部氏の二男への送金疑惑は、論拠が消滅した<3>武部氏と二男の名誉回復措置として、改めて謝罪する――とする鳩山幹事長名の回答書を自民党に提出した。(後略)★

 

テレビ東京「民主党 全国紙に謝罪広告」
http://www.tv-tokyo.co.jp/biz/nms/days/060315/t1.htm

民主党の送金の指示メール問題で、今朝の全国紙の朝刊に武部幹事長の二男に対する謝罪広告を掲載しました。謝罪広告では「武部氏の二男に3,000万円を送金するよう指示したメールは全くの偽物であり、内容も全くの事実無根でした」としています。その上で武部氏の二男や二男が経営する会社の関係者に対し、「名誉を著しく棄損したことを心からお詫び申し上げます」と謝罪しました。今回の謝罪広告民主党永田寿康議員との連名になっています。政党による個人への謝罪広告は極めて異例で、武部幹事長は名誉棄損などの提訴は見送る考えを明らかにしています。★


「メールは本物でない」と聞いた時には、「北の国から'92巣立ち」の菅原文太の「誠意って何かね?」というセリフが頭をよぎった(同ドラマで主人公の純はガールフレンドを妊娠させてしまう。このセリフは、ガールフレンドの父役である菅原文太が、謝りに来た純と純の父・五郎に対して言ったもの)。「本物でない」なら何なのだ?はっきりしろ!誠意がない!と思ったのは自民党だけではなく、世間の多くの人もそう感じたはず。

やはり謝罪のやり方は、素早く、相手の予想を上回る潔さで、偉ぶらず・ごまかさず・遠まわしな表現をせず、誠実に、というのが最善だろう。民間企業で営業を経験したことのある人なら基本中の基本か。永田議員や民主党の当初の謝罪に誠意を感じなかったので、世論も民主党に厳しくなったのではないか。身内である渡部国対委員長も「自分なら辞任する」と苦言を呈したのはそのためか。

読売新聞「民主メール問題、処分「納得できぬ」70%…読売調査」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060302it15.htm


 読売新聞社は、民主党が取り上げた「送金指示メール」問題を受け、1、2の両日、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。

 それによると、この問題で野田佳彦国会対策委員長引責辞任したものの、国会でメールを取り上げて質問した永田寿康衆院議員の処分を半年間の党員資格停止にとどめた民主党の責任の取り方について、「納得できない」という人が70%に達した。

 永田議員が「議員を辞職すべきだ」という人は60%に上り、「そうは思わない」は32%だった。前原代表の進退については、「辞任すべきだ」、「そうは思わない」がいずれも45%と意見が分かれた。

 民主党の責任の取り方について、「納得できない」という人は若い世代で目立ち、民主支持層でも59%に達した。

 また、今回の問題に対する民主党の一連の説明について「納得できない」という人は、77%に上った。

 「メールの信ぴょう性は高い」などと言い続けてきた前原代表の対応については、「不適切だった」が78%を占めた。前原代表が辞任すべきかどうかは意見が二分されたが、民主支持層では、「辞任すべきだ」が31%だった。

 民主党政権担当能力については「ない」と答えた人が72%。民主支持層でも、「ない」が53%と過半数に達した。

 調査方法が異なるため、単純比較はできないが、2003年5月の調査(面接方式)に比べ、全体で「ある」は5ポイント減り、「ない」は6ポイント増えており、一層民主党政権担当能力に疑問符がついた形だ。

 「メール」問題が国民の政治不信を強めたかどうかについては、「強めた」と思う人は68%で、「そうは思わない」26%を大きく上回った。★



政治家も、成功事例だけでなく、失敗事例を学ぶことも必要だろう。松下政経塾では平成15年6月に、松下政経塾のOBでもない1年生議員の永田氏を講師に呼んで「なぜ政治を志したのか、また、何を実現しようとしているのか」を講義してもらったそうだが、この際、メール問題が片付いた後に、もう一度永田氏を呼んで、何故失敗したのかを講義してもらうのもいいかもしれない。

松下政経塾「政治講座 2003年6月9日 永田寿康氏」
http://www.mskj.or.jp/katsudou/200306.html

31歳で初当選し、現在1期目の衆議院議員として活躍する永田議員に、なぜ政治を志したのか、また、何を実現しようとしているのか、生の声をお聞きした。 ★



ガセメール問題で、懲罰委員会での議論がどうのこうのと、いまだに永田議員の名前が連日報道され、民主党のイメージをズルズルと悪化させ続けていることに業を煮やしたのか、民主党も方針転換した様子。

読売新聞「永田氏進退『自ら判断を』前原代表明言…民主方針転換」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060314i301.htm?from=main3

(前略)前原氏ら党執行部はこれまで、永田氏は議員辞職する必要はないとの立場だった。世論調査などで永田氏辞職を求める声が多いことを受けて、渡部恒三国会対策委員長らから自発的な議員辞職を促す意見が相次いでいるため、方針を転換したと見られる。(後略)★



党として、永田議員を守るのか、それとも突き放すのか。民主党の対応には一貫性・責任感がないように思う。最初に永田議員を守ると決めたのなら、前原代表は自分の辞任をかけてでも、とことん守りきることに徹するほうが好感がもたれると思うのだが。

しかし、私は前原代表には辞任してほしくない。前原代表が改憲論者だからだ。今国会中に、国民投票法を実現させて、憲法改正への道筋をつけて欲しい。ここまで民主党のイメージが地に落ちた以上、それしか名誉挽回の方法はないのではないか。

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<追記>

民主党の対応のまずさについては、細野豪志議員のブログのコメントがとても参考になりました。

細野豪志議員のブログ「柔剛記」けじめのつけ方
http://blog.goo.ne.jp/mhrgh2005/e/322be22a4e5f21a2f4192584d3ac1bc7