高槻市を訴えた「アクトアモーレ」管理組合

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JR高槻駅の北側に建てられた再開発ビル「アクトアモーレ」の管理組合が、高槻市を相手に訴訟を起こす方針を固めたという記事が、今朝の産経新聞に載っていました。先日も、高槻市が、アクトアモーレ地下駐車場の管理費を滞納しているという記事がありましたが、いよいよ法廷で争うことになるようです。
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事の起こりは、もともと駐車場を経営する予定だった民間企業が撤退し、それに代わって高槻市が駐車場を取得し運営していること。駐車場の収益が見込めないと予想されたことから、市に対する管理費は割安にすると管理組合と市で合意。ところが予想に反して収益が上がり、昨年度は2億4500万円を売り上げ、約6800万円の黒字に。まあ、売上の6割は、管理組合が駐車回数券の形で購入しているもので、その回数券は、来店客に無料で配っているそうですが。

そんなに駐車場が儲かっているのなら、高槻市に対する優遇措置はやめて、他店舗並みの管理費を払ってくれと、今年5月の管理組合の総会で、市の管理費の増額と、他店舗の管理費の引き下げを決定。しかし、高槻市は、駐車場を取得した経緯等もあるので、この決定を無視し、増額分の支払を拒否。管理費月額約380万円のうち、増額分の約270万円を滞納し、現在その累積額は約1080万円に上るそうです。

管理組合は「ビルに入居しているシネコンなどは赤字を抱えながら駐車場料金の負担を続けており、市に駐車料金の値下げも申し入れてきたが、協議の姿勢がない。駐車場は利益が出ており、店舗と同じく公平な負担に応じるべきだ」と主張。

一方市は「自助努力でようやく利益を上げたのに『負担が不公平』という議論を持ち出すのは、企業の収益の論理にとらわれた身勝手な考え方。市営駐車場の公益性も無視している。訴訟を起こされたら受けて立つ」と強気の姿勢。

けれども、民が滅んで官だけが栄えるというのは、どうでしょう。映画文化を発信しているシネコンに「死ね」みたいなのはねえ(笑)。関大のスケートリンク建設にはポンと2000万円も出したのに、アクトアモーレに対しては、そんな寛大さは微塵も感じられません(笑)。

もちろん、駐車場が赤字になると、結局そのあおりは高槻市民が食うことになるので、健全な経営は維持していただきたいですが。しかし、訴訟沙汰でこじれると、企業と市役所の関係がギクシャクするし、アクトアモーレのイメージも悪くなる。共存共栄の精神で、何とか早期に和解してほしいですね。


しかし、今一番悔しい思いをしているのは、駐車場から撤退した民間企業かも。「そんなに儲かったのか!」とね(笑)。民間企業同士なら、どれだけ利益がでているのか正確には分からないので、訴訟沙汰にはならなかったのではないでしょうか。地方公共団体が相手だから、損益も情報公開制度などで判り、訴訟が起こされたのかもしれませんね。