高槻市営バスは、まだ改善の余地があるはず。
高槻市内で、先日、素敵なバス停を見つけた。
「自由に使ってください。又、元に戻しましょう!」と書かれた傘立てに、数本の傘が挿してある。地元の人たちの優しさと信頼を感じた。
バス停には掲示板もあり、地元の行事や自衛官募集などのポスターが貼られていた。バス停が、地元住民の情報交換の場にもなっているようだ。
こういうふうに、地域と密着した運営が出来るのならば、バス事業が公営で維持されるのもありではないかと思う。ただし、こういったバス停は少数派だが。
大阪府下で、公営のバス事業を行っているのは、大阪市と高槻市だけ。だが、高槻市営バスは、バス利用者が年々減少し、毎年数億円の赤字を出す厳しい財政状況となっている。
★平成17年版 高槻市統計書
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/gyokaku/tokei/toukeisho.htm
83 高槻市自動車運送事業 | ||||
(1)乗合旅客自動車運送事業 | ||||
年度 | 車両数 | 走行粁 | 輸送人員 | 運送収入 |
台 | km | 人 | 円 | |
平成12年度 | 155 | 4,261,496.8 | 23,438,423 | 3,942,968,094 |
13 | 152 | 4,256,272.9 | 22,812,567 | 3,840,099,347 |
14 | 152 | 4,252,790.8 | 22,122,737 | 3,728,316,511 |
15 | 153 | 4,267,027.0 | 21,678,571 | 3,660,772,080 |
平成16年度 | 153 | 4,254,117.6 | 21,138,622 | 3,570,392,022 |
高槻市営バスは、蛍観賞バスなどイベントバスを運行し、あるいは非常勤のドライバーを雇って人件費の削減を図るなど、経営努力をしているらしいが、まだまだ改善の余地があるのではないか。
以前指摘したとおり、高槻市交通部は、バスの燃料である軽油を特定の業者と随意契約し、大阪市や東京都と比べて割高な単価で購入している。入札にしないのは、故意なのか怠慢なのか分からないが、いずれにせよ早急に一般競争入札を実施すべきだ。
一事が万事ではないが、このような随意契約等による経費の無駄は、燃料の購入だけなのだろうかという疑念も沸いてくる。
ヘタウマなイラストともに「あかん!しらんひとについていったら」と警告文の書かれたラッピングバスを最近見かけるが、
★ラッピングバスで子どもの安全を呼びかけ
~44台のバスにイラストとメッセージ~
子どもを犯罪から守ろうと、市営バスの車体に、不審者を警戒するよう呼びかけるイラストとメッセージを描いたラッピングバスを製作。子どもの安全に対する意識が高まるよう啓発します。 (後略)★
こんなふうに出来るなら、何故一般の企業の広告を車体に載せて、広告収入を得ようとしないのか。(申し訳ありません。民間企業の広告を載せたラッピングバスは、以前から運行しているそうです)
JRの改札口では、「想定外割引」でいろいろと物議をかもしたソフトバンクモバイルの広告が、自動改札機に貼られていた。こういう形で、販売促進に熱心な企業は、市営バスの全面車体ラッピング広告に乗ってくるのではないだろうか。
市バスの運転手の年収も、民間に比べると非常に高いと聞く。すべての経営努力をしてもなお、人件費が経営の足を引っ張るというなら、民営化もやむなしだろう。
昨年6月、これまで無料だった70歳以上の高齢者の運賃を、100円にするという条例の改正案が高槻市議会に提出されたが、1票差で否決された。運賃の値上げより先に、高槻市営バスにはやるべきことがまだまだ多いように思われる。
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<お詫び 平成18年12月18日>
本文において、企業の広告を載せたラッピングバスで広告収入を得よ、と書きましたが、以前から民間企業の広告を載せたラッピングバスは運行していたそうです。不正確な情報を記載してしまい、申し訳ございませんでした。
また、バス停にあった傘の件について、コメント欄に意見をいただいたので情報公開請求して調べたところ、以下のバス停では、高槻市営バスが置き傘を設置していました。ただし、私が撮影したバス停は、このリストにはありませんでしたので、地元の方が置かれたものなのかもしれません。
★置き傘補充停留所
柱本団地 三島江 下田辺団地 道鵜町 成合中町 富田団地 上の口 神峰山口 阿武野1丁目 日赤病院 上の池滞留所
市営バスの赤字についてですが、バス事業(高槻市自動車運送事業)単体で見ると黒字決算となっておりますが、これには高槻市からの補助金(高齢者・障害者・被爆者の無料パス分)が収入に含まれており、この補助金分を除くと、平成16、17年度は赤字になります。つまり、高槻市全体で考えれば、バス事業は赤字だということです。