その成果は「2学期制によるもの」ではなく「モデル校だったから」では?

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2月2日(金)には、今年度最後の2学期制推進委員会が行われたのですが、私は仕事の都合で傍聴できませんでした。そこで、「高槻ご意見番」の会員の方に行っていただきました。

推進委員会では、2学期制に対して各校から概ね肯定的な意見が出されたようです。7月と12月には、教師にとっては随分と余裕ができたことなど。

ただ、私は以前から申し上げているとおり、モデル校が発表する「成果」は、2学期制とはまるで無関係なものだと考えています。これまでの推進委員会では、それらの成果が、「2学期制だからできた」のか、それとも「3学期制でもできる」のか、といった吟味の仕方はまったくされませんでした。今回の推進委員会でもそうだったようです。

前にも書きましたが、シンポジウムなどで発表された「2学期制の成果」というのは、そういう意味で「成果の偽装」であると考えています。

ならば、何ゆえにモデル校は「成果」が出せたのか。それは、「2学期制だから」ではなく、「モデル校だから」だろうと私は考えます。いわば「モデル校効果」ではないでしょうか。

「モデル校」として、学校の上部組織である教育委員会が主催する推進委員会やシンポジウムで、PTAなども前にして発表しなければならない。そのためにより良い取り組みを考え実行し、それによって成果が出せた。2学期制とは関係ないけれども、2学期制の成果として発表した。そういったところではないでしょうか。

であるのなら、2学期制に限らず、これからも毎年順繰りに「モデル校」を選定し、発表させれば、高槻の学校は良くなっていくのではないでしょうか(笑)。

しかし気になるのは「評価の基準」です。どのようにして、学校が良くなったと判断するのか。いじめの件数・スポーツの成績などもあると思いますが、保護者が一番気になるのはやはり「学力」です。

今回の推進委員会で、高槻市立第七中学校の先生は「2学期制に変えただけでは学校は変わらない。2学期制をどう活かすかを考えなければならない。最終的には生徒の学力を保証しなければならないだろう」というような発言をされたそうです。

その考えは良し。ただ、生徒の学力が上がったのか下がったのか、他校・他市と比較してどうなったのか、どう推移したのかという指標がない。前々から主張していますが、全市的な学力テストを行うべきだと私は考えています。

また、2学期制実施に伴い(隠れて)学校裁量が拡大されますが、責任は誰がどの程度負うのか。普通、民間企業などでは、裁量を得れば、それに伴って責任も負わねばなりません。その部分が学校ではどうなのか。

例えば、学校裁量の中に、定期テストの回数が含まれますが、私が危惧するように定期テストを減らすことで(モデル校の第六中学校・第七中学校では実際1回減っています)、子どもの学力が下がったら、誰がどう責任を取るのか?校長が責任を取るのか?教師が責任を取るのか?そこを明確にするべきでしょう。

これまた2学期制とは無関係だと思うのですが、地域にあった特色ある学校づくり、というようなことも謳われています。しかしながら、地域にも、いろいろな子ども達がいる。地域差も多少あるかもしれませんが、樫田地区を除いては、それがそんなに各地域で大きいとは思えません。

それよりも、子ども達個人個人に合った学校づくりが必要なのではないでしょうか。例えば、成績上位で、もっと高い学力を身につけたいと考えている子供達のためには、そうした環境を用意するとか。

それから残念だったのは、今回の推進委員会では、パブリックコメントで、市民から寄せられた意見については、何も触れなかったこと。今回、「2学期制推進委員会は、2学期制へ円滑に移行できるようにすることが大きな役割」といった旨の説明があったそうで、そのためには、市民の意見は邪魔な存在なのかもしれません(笑)。

これまでの2学期制推進委員会での議論を、事務局は、19年度からの全校での実施に向けて、教育委員会に申請するとのこと。

私は2学期制そのものについては頭ごなしに反対ではないのですが、教育委員会のこれまでのやり方については、非常に疑義を抱いております。