天下りは高槻市にも!…不正に補助金を受給した社会福祉法人に、また補助金?の怪

huseijukyu.jpg
先日も、高槻市役所へ情報公開請求に。平成18年10月に行われた介護老人福祉施設特別養護老人ホーム、以下「特養」とします)の整備事業者の募集(コンペ)の結果を教えてほしいと請求しました。

ところが、市民情報課に現れた介護保険課の担当職員は、「私の一存では・・・」と、なかなか教えてくれません。

私が「これは市民の福祉に関わることでしょ?高槻市から多額の補助金も出るんでしょ?特養なんだから、高槻市民の終の棲家になるんじゃないですか!どうして市民が知ることができないんですか?普通の公共工事だったら、入札業者や落札業者はすぐに公開されるのに、なんで福祉のことは公開できないんですか?」と食い下がったところ、「上司と相談してきます」といったん引き下がられ、やっと教えてくれました。

そうやって、何とかコンペに通った社会福祉法人の名前に聞き出しました。

実はこの社会福祉法人、過去に、大きな事件を起こしたことがあるのです。コンペとは別の特養でですが、それを開設した際に、国などから受け取った補助金のうち、2億8000万円ほどを不正受給。ゼネコンと結託し、建設費を水増しした偽の契約書を大阪府に提出して、補助金を騙し取ったのです。

そうやって多額の補助金を不正受給しただけでなく、施設入居者から預かったお金から7500万円も流用したり、不正受給したお金で幹部が海外旅行をしたり、社会福祉法人の会計から理事長の保釈金2000万円を拠出したりと、他にも悪質な行為をしていました。

理事長は、詐欺と補助金適正化法違反で、懲役2年2ヶ月の実刑判決。社会福祉法人の方は、大阪府から業務改善命令を受け、理事長ら8人の全役員が総辞職。代わりに3名の仮理事が選任され、経営陣が一新されました。

ところが、いつの間にか、理事長一族が役員に復帰。元理事長の息子が新たな理事長に就任していました。

さらに、高槻市役所で福祉部門の要職にあった元高槻市職員が社会福祉法人天下り。その後、この社会福祉法人は、今回のコンペの特養を建設するとしている土地を購入したり、グループホームやケアハウスを新設したりと、業務を拡大しています。

今回、100床という大きな規模の特養のコンペにおいて、5者の中からこの社会福祉法人が選ばれましたが、私は高槻市役所の姿勢に非常に強い疑問を抱かざるをえません。

特養の建設が市議会で承認されれば、また多額の補助金が支給されることになります。何故、過去に多額の補助金を不正受給した社会福祉法人に、また補助金を出すような決定をしたのでしょうか。

経営陣が一新されたはずが、また元理事長の一族が役員となっている。こういうところに、常識的には、また補助金を出して、特養をやらせようとは考えないと思うのですが。

担当の市職員の方は、どうしてコンペの結果を言い渋ったのでしょうか?普通、公共事業の入札の結果はちゃんと公表しなければならないはずです。元高槻市役所の幹部が天下りした事実との関連が疑われても仕方がないと私は考えます。

高槻市役所と、社会福祉法人天下りした元市職員がつるんで、「福祉を食い物にしている」という疑念を市民に抱かれないためにも、こうした天下りを受け入れている法人とは、むしろ関係を断ち切るくらいの姿勢でいなければならないと私は思います。

現在、どのように審査がされたのか、審査の基準はどういったものなのかについて、情報公開請求をしていますが、この審査に当たった「高槻市保健福祉施設等施設整備審査会」の委員は、すべて市職員であるとのことでした。こうした審査会には、外部の人間を入れるのが普通ではないでしょうか。「密室」と批判されても仕方がないでしょう。

また、審査項目・点数の基準については、高槻市独自で作成したとのこと。その中に、法人が起こした過去の事件や経営陣の資質が含まれるかと問うたところ、無いとの答えでした。

再びこの社会福祉法人が問題を起こした場合、誰が責任を取るのでしょうか。万一の場合、多くの利用者・入居者・地域住民に迷惑がかかるのではないかと思います。この社会福祉法人は、高槻市内で、すでに別の特養をはじめ、多くの福祉施設を運営しています。リスクを分散する意味でも、高槻市役所は、別の法人を選ぶべきでだったのではないでしょうか。

担当の市職員に「天下りはないんですか?」と訊いてみたところ「ない」と断言しました。しかし、天下りの事実はあります。天下りした元市職員は、部長・理事といった要職についていた方ですので、市職員が知らないはずが無いと思うのですが。

多くの高槻市民の「終の棲家」となる特養で、このような不透明なことがされていることについて、市民の皆さんはどう思われるでしょうか。他の福祉施設でもそのようなことが行われているのでしょうか。

また新たなことが分かり次第、公表させていただきます。