「ハゲ山サイボーグ」と化した今城塚が、悲し過ぎた・・・

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写真は、私が幼稚園か小学校低学年の頃に、今城塚で撮ったもの。小さい頃、おばあちゃんの家が今城塚の近くにあったので、よく今城塚に遊びに行きました。どんぐりを拾ったり、魚釣りをしたり。フナなどがたまに釣れたと思います。魚釣りのはずなのに、亀がよく釣れた(笑)。

一番大きな獲物は、ザリガニ釣りをしているときに釣れた、大きな雷魚(ライギョ)。「カムルチー」「タイワンドジョウ」とも呼ばれているそうですが、かかった時は非常に重く「木の根か何かに引っかかったのかな?」と思いました。おじさんが一緒に釣り上げてくれて、初めて見たその異形に驚きました。スーパーのレジ袋に入れて木の枝にかけていたのですが、突然雷魚が大暴れしたために枝が折れ、レジ袋から飛び出した雷魚は水の中へ帰っていきました(笑)。

「♪兎追いし 彼の山 小鮒釣りし 彼の川・・・」。「故郷」という歌がありますが、私の場合、思い浮かべるのは、阿武山、摂津峡、女瀬川(如是川)、そしてこの今城塚です。

当時は、堀の周りは林のように、墳墓の部分は森のようになっており、木がうっそうと生い茂っていました。(古墳なのに、一部が田畑になっていた(笑)。)

ところが、いつ頃からか、何やら囲いができて、土が掘り返され始めました。今城塚が「真の継体天皇稜ではないか」と言われ出したころだと思います。

そうやって緑が徐々に少なくなり、人工的になっていくと、何だか途端に今城塚の魅力がなくなってしまい、遊びに行くことも少なくなりました。私の母校の三島高校は、今城塚の近くにあったのですが、高校生の時にはまったく行った記憶がありません。

先日、娘を連れて、約20年ぶりに今城塚に行ってきました。娘を遊ばせようと思っていたのですが、工事のためにフェンスで囲まれ、立ち入り禁止ということで、入ることができませんでした。

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それより何より、「ハゲ山」のようになった今城塚に、唖然としました。(どれほどの「ハゲ山」っぷりか、「Google マップ」の「航空写真」で、今城塚のすぐ西にある「太田茶臼山古墳」と比べれば歴然です。)

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魚釣り禁止、と。魚を釣ろうにも、もう水もないわけですが(笑)。

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吉田康人さんの「やすとログ」によると、樹齢50年の桜並木15本が、1本残らずばっさりと伐られたそうです。この切り株かどうか分かりませんが。

桜の木を、他の場所へ植え替えるといった選択肢はなかったのでしょうか?

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こんなコンクリートで固めてしまって。「まるで『サイボーグ古墳』だな」と思いました。サイボーグは、外見は人間ですが、中身は機械。今城塚古墳も、外は土が盛られるかもしれませんが、中はコンクリートで固めた、ありきたりの「公共事業」になってしまうのかな。

高槻市教育委員会は、桜を伐った理由を、古墳ができた1400年前にはなかったからだとしたそうですが、古代には、こんなコンクリートはなかったはず。矛盾しています。適当に理由をつけて、工事を進めたいだけなのでしょう。

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写真では見にくいですが、「自然や文化財を大切に」と書かれています。「どの口がそれを言う!」という感じです。

高槻市の隣の茨木市には、以前継体天皇陵とされていた太田茶臼山古墳(今も宮内庁はこちらを本物として扱っています)があるのですが、こちらの方は、青々と緑が生い茂り、今城塚と比べると、自然が大切にされているように思います。



それにしても、今城塚は「真の継体天皇稜」と言われているのに、こんなふうに好き勝手に荒らしていいのでしょうか?ばちが当たりそうで、怖い。

高槻市では、今城塚を史跡公園にする計画だと言っていますが、それで、何になるのでしょう?

前のままの今城塚のほうが、うまく言えませんが、神秘性というか、トトロの森みたいな不思議な感じというか、ふるさとみたいなというか、そういうような魅力があったように思います。まっさらな新品の埴輪なんか並べて人工的に史跡公園にしても、多分、小中学生が見学に一回来て終わり、という感じになるのではないでしょうか?

史跡公園にするにしても、福井や枚方が、継体天皇の即位千五百周年で盛り上がっているのと比べると、高槻市は、「真の継体天皇稜」の今城塚があるにもかかわらず、その部分でも盛り上がっておらず、今城塚をどう観光に活かすか、といった計画もされていないようです。

【県民福井ニュース】即位の地で大王に迫る
 大阪・枚方 継体天皇フォーラム


 継体天皇が即位した「樟葉宮(くずはのみや)」があったとされる大阪府枚方市で四日、即位千五百周年を記念した歴史フォーラムが開かれた。この日は即位記念日とあって、継体天皇が育った本県からも、継体大王即位千五百周年記念事業実行委員会の江守幹男会長や飯島義雄副知事らが駆け付け、ステージ発表やシンポジウム、パネル展などを通し、ゆかりの地同士の交流を深めた。 (長谷川寛之)

 「渡来人の里枚方継体天皇」と題したフォーラムは、枚方市市民会館で開かれた。集まった歴史ファンら約千二百人を前に、江守会長は「福井県内でも継体天皇即位千五百周年を迎え、盛り上がっている。枚方市をはじめ、ゆかりの地同士が記念事業を展開していこう」とあいさつし、記念事業の今後の展開に期待を寄せた。(後略)★



「ハゲ山サイボーグ」と化した今城塚には、もう、昔の緑豊かな森や、雷魚やフナのいた水辺は戻りません・・・

・・・思い出の中の「真の今城塚」よ、サヨウナラ・・・

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これも今城塚での写真なのですが、

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なんで、この自転車、こんなにサドルが高いんやろ(笑)。誰が乗ってたんかなあ?(笑)。