2学期制―保護者アンケートを無視するなかれ!

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高槻市議会では、3月初旬、2学期制に対する反対意見が多くの議員から述べられ、2学期制の全面実施の延期を求める請願書も出されたとか。結局、それは賛成少数で否決されたそうですが、今年度の最初の2学期制推進委員会からずっと傍聴している私達にしてみれば、「何を今さら騒いでいるのか。もっと早くに反対しておけよ!」という思いです。

最後の2学期制推進委員会には、「高槻ご意見番」の別のメンバーの方に傍聴に行っていただいたのですが、そこで配布された「2学期制試行実践 まとめ報告書」を読むと、「これはなかなか核心をついているぞ!」と思えるアンケート(写真のもの)がありました。私は、2学期制の真の狙いは「学校裁量の拡大」であると、推進委員会を傍聴して感じましたが、このアンケートは、新たに学校裁量となる「定期テストの回数」についてのものでした。

高槻市立第六中学校
(中略)
5.2学期制の実践に対する生徒・保護者等の反応・感想等

12月に実施した保護者及び生徒対象の「2学期制試行についてのアンケート」は、回収率が約70%となり、保護者の関心の高さを伺わせた。
アンケートでは、多種多様な意見があったが、「試験的にスタートした2学期制で、子供も親もとまどいの多かった8ヶ月だったように思います。長年身についた3学期制の感覚がなかなか抜けません。問題点や課題は多々あるように感じました。先生方は何かと大変だと思いますが。親も一緒に考え進んでいけたらと思っています。」というご意見に代表されるように、「2学期制の感覚に慣れない」「違和感がある」などの意見が多くを占めた。特に、「夏休み前には前期の中間テスト(6月)、夏休み明け(9月)に前期の期末テストがありましたが、そのことについてどのように思われますか。」という問いに対しては、半数以上が「あまり良くなかった」という回答を寄せた。(右下の円グラフ)。(後略)★



この円グラフで表された結果を見ると、

(ア)たいへんよかった・・・・・5%
(イ)よかった・・・・・・・・33%
(ウ)あまりよくなかった・・・53%
   空欄・・・・・・・・・・・9%



となっています。

選択肢が3つしかなく、そのうちの2つが「たいへんよかった」「よかった」と肯定的な選択肢で、残りの1つが「あまりよくなかった」というやや否定的な選択肢の、非常に妙な感じのアンケートなのですが(普通なら「大変良かった」「良かった」「どちらでもない」「悪かった」「とても悪かった」でしょう)、とにかく、定期テストに関しては、否定的な意見が多かったということです。

第七中学校も定期テストを4回に減らしましたが、第七中学校の行ったアンケートによると「(12)定期テストの回数が5回から4回に変更になりましたが、困ったことはありましたか?」の問いに、約6割の生徒・保護者が「よくあてはまる」「あてはまる」と答えています。

また、第一中学校の報告の中でも、定期テストは5回のほうが良いと考える保護者が多いとされており、やはり私の指摘は正しかったのだと思いました。

私は、以前書きましたが、前期と後期のバランスを考えると、前期後期に各3回ずつ、計6回の定期テストを行うほうがよいと考えています。

前述の通り、高槻市議会では、多くの議員が2学期制に賛成しています。賛成派の一人のある市役所出身の議員は、自分の地元の地域の保護者からは2学期制に対して反対の意見は聞こえてこない、としています。

けれども、2学期制は、高槻市全域の問題です。高槻市全体を見渡した議論が必要でしょう。

少なくとも第六中学校では、このアンケートのように、不安の声が色濃いわけですから、こういった保護者の声を無視することなく進めていかなければならないと考えます。

『2学期制に関する意見募集』に投稿した私の意見」に、私の意見をまとめましたが、私としては依然として釈然としないまま、いよいよ今年度から高槻市のすべての公立学校で2学期制がスタート。「学校裁量」が拡大され、「特色ある学校づくり」の名の下、どのような学校になっていくのか非常に不安です。

その成果は『2学期制によるもの』ではなく『モデル校だったから』では?」に書きましたが、モデル校が発表する「成果」は、2学期制とはまるで無関係なもので、成果らしきものが出せたのは、単に「モデル校として保護者などに発表しなければならなかったから」だと私は考えています。試行期間が終わり、モデル校でなくなった後、どうなるのか。

そういう意味で、やはり、以前書いた「コミュニティスクール」などの、保護者が学校を監視する仕組みの導入が、この高槻ではよりいっそう必要だと考えます。