【市バス】自販機による労組への違法な利益供与について住民監査請求しました!

高槻市営バス芝生営業所の自動販売機

市バス営業所内の自動販売機の売上の一部が労働組合の収入になっている問題について先日お伝えしましたが、昨日1月11日、この件についての住民監査請求を行いました。

実は、昨年末に、同様の主旨の住民監査請求を行ったのですが、監査委員事務局の職員の方から、事実証明に必要な書類が十分でないので却下されるおそれが高いとの指摘を受け、いったん取り下げました。その後交通部に対して、市バス営業所の自販機等に関する情報公開請求を行い、必要な書類が揃ったと考えたので、改めて住民監査請求をした次第です。

違法な行政財産使用許可書

公開された文書によると、高槻市営バスの敷地内に設置された自動販売機は23台。その内の4台の売上の一部が、契約手数料として労働組合の収益となっていました。

労組が業者に自動販売機を設置させている場所については、交通部が労組に対して「行政財産使用許可書」を交付して使用させ、「職員の福利厚生のため」であるとして使用料を免除しています(ただし、光熱水費として自販機1台につき月3千円を労組が負担)。

「職員の福利厚生のため」としていますが、何故労組にこんな許可を与え、自販機を置かせて儲けさせているのでしょうか?自販機が職員のために必要なら、交通部が業者と直接契約して置かせれば済む話です。現に、23台のうち、19台はそのようにしているわけです。

つまり、「職員の福利厚生のため」なんて理由は嘘っぱちであって、労組に利益供与をするために、無料で自販機の場所を使わせてやっているわけです。

労働組合法第7条第3項では、「労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること」を不当労働行為として禁止しています。交通部当局が、自販機で労組を儲けさせてやっている行為=利益供与は、当然この「経理上の援助」に当たるわけで、労働組合法に違反していることは明らかです。

本来、労組が自販機で得ていた収入というのは、交通部の会計に入るべきものであって、そういう意味では、このような許可を与えてきた歴代の交通部の管理者らは、労組の収入相当額分、高槻市に損害を与えてきたことになりますから、それを賠償すべきです。

いったいこれまでどれくらい自動販売機の契約手数料が労組に流れたのか。昨年12月に市議会でそのことを質問しましたが、山本管理者は詳細を把握していないとのことでした。

しかし、地方公共団体の監査委員には、地方公共団体が財政的援助を与えている団体などの会計を監査することができる強い権限があります。ぜひ、高槻市の監査委員の皆様には、交通部の労働組合の会計を精査していただき、これまで高槻市がどれだけの損害を被ってきたのかを、しっかり調査していただきたいと願っております。

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高槻市職員措置請求書

第1.高槻市自動車運送事業管理者山本政行氏に関する措置請求の要旨

 高槻市営バス営業所内にはジュース類の自動販売機が複数台設置されており、本市職員だけではなく、一般市民も利用できるようになっている。この自動販売機の売上の一部が、手数料収入(以下「本件収入」という)として高槻市交通労働組合(以下「労組」という)の利益となっている。

 高槻市交通部の山本政行自動車運送事業管理者は、平成19年12月19日の本市議会において、請求人の質問に対し、労組が自販機を設置している件に関しては、コカコーラ2台、ヤクルト2台の計4台について正式な許可(以下「本件許可」という)を与えている旨答弁し、このことは、別添の行政財産使用許可書で確認できた。

 しかし、自動販売機の設置に係る契約は、仮に本市職員の福利厚生のために必要としても、交通部が業者と直接行えばよいのであって、労組に使用許可を与えて労組と業者に契約をさせる必要は一切ない。現に交通部では、労組が自動販売機を業者に設置させているのとまったく同じ場所に、交通部と業者との直接契約による自動販売機を業者に設置させ、本市職員ならびに市民に対して飲料等を販売している。

 つまり、交通部が労組に対して与えている本件許可には、何の合理的な理由も存在せず、明らかに、交通部の労組に対する不当な便宜供与なのである。

 この不当な便宜供与により、本件収入が労組の不当利得となっていることは明白であり、実質的には交通部当局による労組に対する利益供与・経理上の援助であって、「労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること」を禁止した労働組合法第7条第3項に違反していることは明らかである。

 本件収入は、そもそも交通部の収入として取り扱われてこなければならないものであったが、歴代の自動車運送事業管理者が、労組に対し、違法・不当に行政財産の使用許可及び自動販売機の設置許可を与え利益供与してきたことにより、交通部に対して本件収入相当額の損害を与えてきたものである。

 また、交通部は、高槻市行政財産使用料条例に基づき、労組から、当該自動販売機設置場所に係る使用料を徴すべきところ、同条例第8条に反して違法に使用料を免除し、これを怠ってきた。一方の労組は、当該使用料を支払うべきところ、これを不当に免れてきた。


第2.監査の請求

 以上のとおり、歴代の自動車運送事業管理者による労組に対する自販機に係る行政財産使用許可等による利益供与・経理上の援助は、労働組合法第7条第3項に反し違法である。また、本件許可に係る使用料の免除は、高槻市行政財産使用料条例第8条の要件を満たさず、同条例に違反している。

 よって、請求者は、高槻市自動車運送事業管理者に対し、労組に対する当該行政財産の使用許可及び自販機の設置許可を直ちに取り消し、労組が不当に利得していた当該自販機の手数料収入および法定利息を、私法上の債権であることから、過去10年分、労組及び歴代の自動車運送事業管理者が連帯して支払うよう勧告することを求める。

 また、違法な本件許可により労組が免れてきた行政財産使用料については、公法上の債権であることから、過去5年分を法定利息とともに、労組及び歴代の自動車運送事業管理者が連帯して支払うよう勧告することを求める。

 高槻市行政財産使用料条例第9条には過料の定めがあるので、これを労組及び歴代の自動車運送事業管理者に課すよう勧告することを求める。

 なお、上記本市議会において、山本管理者は、これまでの本件収入については詳細を把握していない旨答弁したので、監査委員におかれては、交通部や労組の主張・自己申告を鵜呑みにすることなく、労組の会計帳簿を監査され、不当利得の詳細を把握していただきたい。