【市バス】自販機による違法な経費援助について住民訴訟を提起!

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高槻市営バスの営業所の食堂内に、高槻市交通部が、労働組合自動販売機を置かせ、その売上の一部が労働組合の収入になっている問題について、今年1月11日に住民監査請求を行いました。しかし、写真のとおりの理由で棄却されました。

この監査結果は不当であると考えましたので、今年の4月4日付で住民訴訟を起こしました。

住民訴訟の第1回口頭弁論は、平成20年5月20日の午前10時から、大阪地方裁判所806号法廷で開かれます。事件番号は、平成20年(行ウ)第65号です。連合高槻による厚生会館不正使用の裁判と同じ日・同じ場所です(時間は1時間早いです)。

住民監査請求は結果的に棄却されたものの、高槻市監査委員事務局が、高槻市交通労働組合の会計を調査してくださったところによると、労組は、平成16年7月から平成19年10月までで、約240万円の収入自動販売機から得ていることが分かりました(ただし、労組は、毎月自販機1台につき光熱費として3000円を交通部に支払っていました)。

問題は、この収入が、労働組合法第7条第3号に違反しているかどうかです。

住民監査請求の監査結果では、監査委員の判断として「請求人(私)は、本件許可は『労組への利益供与・経理上の援助であって、労働組合法第7条第3号に違反している。』と記述しているが、そもそも労働組合法第7条第3号の趣旨は、労働組合への支配介入を禁止するところにある。」としています。

しかし、同法第7条第3号前段は「労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。」というものであり、「支配」と「介入」を小さな接続詞である「若しくは」で結び、それと「経費援助」を「又は」という大きな接続詞で結んでいます。

つまり、「支配」「介入」と「経費援助」は区別されるべきものであって、「経費援助」のみで不当労働行為になると考えられます。経費援助を不当労働行為とした趣旨は、経費援助が、労働組合の自主性、独立性を阻害し、それをきっかけに御用組合化することをおそれたことによるものだそうです。

また、本件監査結果では「労働組合法第7条第3号後段において『福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。』と認められていることから、本件許可については社会通念上の著しい逸脱は認められず、違法な利益供与・経理上の援助とはいえない。」と結論付けています。

しかし、労組の会計に「福利その他の基金」は存在しません。労組の資料を読むと、労組の会計は、一般会計と、特別会計として「犠牲者救援基金」「非常闘争資金」「普通闘争資金」「組合書記退職基金」「出資証券」「互助会」「共済会」で、自動販売機による収入は、一般会計の「雑収入」として計上されていて、その使途は福利厚生に限定されていません。

それどころか、一般会計の支出には、例の違法な「代走」に関連していた「代走費」「常駐費」が計上されています。「代走」という違法行為(労組幹部が勤務時間中に労働組合活動する際に、他の非番の職員に身代わりに勤務させていた。交通部の管理職はそれを知りながら、勤務実態の無い当該労組幹部に対して、給料等を支払っていた)に対する手当ての原資の一部となっていたのですから、監査結果に書かれているような「福利その他の基金に対する使用者の寄附」なんて、穏やかなものではないのです。

ただ、交通部の行った設置場所の使用許可は違法であっても、自販機の業者と労組との間の契約は有効であったと考えられることから、この自動販売機の収入分の損害は、労組ではなく、交通部の幹部の方々に支払っていただかなくてはならないようです。

この自販機に関する問題については、他にも気になることがあるのですが・・・それは、裁判の中で、明らかにするしかないと考えています。