【今城塚】なんじゃこの7980万円の随意契約は!

朝日放送「ムーブ!」にて

今日の朝日放送の「ムーブ!」では、今城塚の随意契約の問題が取り上げられました。

私の登場場面があんなに多いとは驚きました。いやあ、しかし、太りました。自分で自分を見て、太ったなあと思いました。各方面からも「太った」とご指摘を受けました(笑)。またダイエットに励まなければ・・・言い訳すると、裁判や住民監査請求の書類とか書いてると、法律が難しくて、ストレスが溜まって、生活も不規則になるし・・・

さて、平成19年度は、今城塚古墳の第4次整備工事として、墳丘部分の工事をしています。この工事、当初は入札で1億7640万円と決まったのですが、約2ヶ月前の高槻市議会(3月議会)で、仮設道路を設置する内濠の地盤が設計時の予想よりも軟弱であったことと、国からの補助金が追加で交付されたことにより、約5280万円を増額する変更契約が議案として上げられ、賛成多数で可決されたことは以前このブログで書いたとおりです。

この議案を審議するにあたって、契約の変更の議案なのだから、契約書を見せてほしいと担当者に頼んだところ、「上から持っていくなと言われた。情報公開請求してくれ」と拒否され、これについて議会で抗議。議会が紛糾したことも書きました。

その後も納得がいかず、しつこく契約書と国からの補助金の詳細が分かる資料を持ってきてほしいとお願いしたのですが、まともなものを持ってこないので、やや意地になり(笑)、「それなら議会の前に担当者から言われたとおり、本当に情報公開請求をやってやろうやないか」と公開請求を行いました。

すると、出てきた公文書の中に、今日報道された随意契約の契約書が含まれていたのです。契約金額は、なんと7980万円!この随意契約は議会では一言の報告もされていません。

史跡今城塚古墳工事・疑惑の随意契約

上の図のとおり、随意契約には護岸列石の工事が一部含まれています。議会前に、変更契約で護岸列石がどうなるのかという図面などをちゃんと出せば、何故上の図の青色の部分(随意契約の護岸列石の部分)が欠けているのかという疑問を持たれる可能性が高かったので、契約書を出さず、あいまいな説明しかしなかったわけです。(そのせいでこういうふうに思い込まされてしまいました)。

(番組で紹介された「石組(=護岸列石)」は、上の図の太い線の箇所で、設計図では「護岸列石2」とされています。ここは水面と接することから、他の護岸列石よりも幅が広くなっています。細い線は空堀部分の石組で「護岸列石1」。赤の丸印で示した箇所は「護岸列石3」で石を平積みにします。)

契約書の最初のページには、この「請負代金:金7980万円」のほか、

工事名:史跡今城塚古墳第4次整備工事に伴う護岸列石復元工事
工事場所:高槻市郡家新町内
工期:平成20年2月19日から平成20年3月31日まで


などと書かれてあります。

具体的な工事内容は、設計書や図面によると、

土工1式:バックホウによる積込、10tダンプによる運搬、ブルドーザーによる盛土敷き均し、残土処分
法面工1式:内外堤法面の張芝
修景施設工1式:内堤の護岸列石工及び墳丘裾部の護岸列石工
仮設工1式:内外堤上部の砂塵防止ネット(防塵ネット)設置
準備費:墳丘の樹木伐採整理


となっています。

しかし、ムーブ!で指摘されたように、張芝工と砂塵防止ネット設置は、既に完了していますし、それ以外にも、内堤の護岸列石工事や墳丘の樹木伐採整理も、この随意契約の締結日以前に完了していたのです。

つまり、これは架空契約ではないか。そういう疑いをもったわけです。番組で建設部長は「手続き的には問題はない」と答えていましたが、明らかに手続きに問題がありますし、違法性もあります。

ムーブ!であったように、文化庁から、事業予算3億円(他の今城塚関連事業の予算と融通しあうことで若干上下します)の50%を補助してもらえる補助金(つまり補助金の上限は1億5000万円前後)を全部使い切るために、「増額変更契約」プラス「随意契約」で、帳尻合わせをして3億円の予算に合わせる形にしたのですから、番組の冒頭で言われたように、入札制度が骨抜きにされてしまったわけです。

そのやり方は、契約の増額変更については、元契約の30%までと高槻市の内規で決まっていることから、30%ぎりぎりの約5300万円を増額し、随意契約については、8000万円までなら部長決裁で済ませることができるから、随意契約を7980万円にした。そのように帳尻合わせをしたと推理できます。

けれども、ムーブ!のディレクターが鋭く追及していたように、高槻市の内規上、工事の設計変更は「施工中に発見した不測の事態に対処するため特に必要な場合又はやむを得ない場合のほか行うことはできない」とされているので、そこからいくと、国(文化庁)から補助金が追加で交付されたからという理由で、護岸列石を延長するというのは、変更契約としてはできないはずなのです。

そうすると、地盤が軟弱であったことに伴う仮設道路の工法変更については(本当に地盤が軟弱で工法変更が必要であったのかという疑いもありますが)増額分の1割と言っていましたが、この1割分の約500万円しか増額できないことになり、残りの約4800万円分については、契約をしようとすれば、新たに競争入札を実施しなければならなかったわけです。

7980万円とされた随意契約分の工事ですが、本来なら、上記の約4800万円分の護岸列石(変更契約の分)の工事と併せて、競争入札を実施しなければならなかったはず。

これを、わざわざ7980万円の随意契約だけ別個にしたというのは、他の意志が働いていたのではないか。部長決裁にするために8000万円未満にしたのではないか、と。

建設部長は、ムーブ!のディレクターからの「何故、着工早々に行われた張芝や防塵シートの工事を変更契約に入れず、随意契約に入れたのか」との質問に対して、答えに窮し、長い沈黙の後、「私が決裁権者ではありますが、そこに入れた判断というのは、分からない・・・」と答えています。

決裁を行った部長が何故分からないのか、非常におかしいわけですが、これが、うっかり正直なところを答えてしまったのであれば、別の誰かが、変更契約と随意契約の金額の割合や工事内容の割り振りを考えるなど、全体的な「絵を描いた」と見るのが妥当ではないかと思われます。

でなければ、お上である国から多額の補助金を受けての事業であり、かつ、議会にその変更契約を議案として上げたわけですから、そんなことを建設部長一人の独断でできるはずがありません(そもそもこれは教育委員会が所管する事業ですし)。建設部長より上の人間が関わっていると考えるのが自然です。そして何か問題が起きれば「建設部長が決裁した。わしゃ知らん」と逃げると。

当時の建設部担当の副市長は、国から出向で来ていた人でしたから、お飾り同然。ということは、市長しか・・・

今日の午後2時から奥本市長に対するインタビューが予定されていましたが、これを奥本市長は急遽キャンセルしたとのこと。何故奥本市長は逃げたのか・・・

この不可解な随意契約の鍵は、奥本市長が握っているのではないでしょうか?奥本市長には、ちゃんと答えてもらわなければなりません。