高槻市議、あっせん収賄容疑で逮捕・・・そろそろ「きれいな市政」の実現を!

段野市議逮捕報道(NHK)

本日、高槻市議会議員が、斡旋収賄容疑で大阪府警に逮捕されました。まったく残念なことです。

高槻市議を逮捕 あっせん収賄容疑

 大阪府高槻市のマンション建設をめぐり、違法建築を見逃すよう市側に働き掛けた見返りに現金を受け取ったとして、大阪府警捜査2課は3日、あっせん収賄容疑で高槻市議段野啓三容疑者(66)=同市野田、贈賄容疑で不動産会社「リケン」社長長谷川宜徳容疑者(63)=同市野見町=を逮捕した。

 調べでは、段野容疑者は2005年9月上旬、長谷川容疑者の依頼を受け、リケンが高槻市野見町に建設したマンションの建築基準法違反を見逃すよう市側に働き掛け、見返りに、現金数十万円を受け取った疑い。

 リケンは既存の建物を壊して更地にする予定だったが、建物が撤去されないままマンションを建設、建ぺい率や容積率が規制値を超えていた。

 段野市議は1983年に初当選し、現在7期目。これまで正副議長も務めた。

2008/06/03 19:32 【共同通信】★



この不動産会社や市議の行為は問題ですが、圧力を受けて建築基準法違反を約3年間も見逃し続けてきた高槻市の体質にも、大いに問題があります。

高槻市は、平成18年に、公園墓地当選者名簿流出事件を受け、「個人情報等適正管理検討委員会」を立ち上げ、「個人情報等行政情報の適正な管理」と共に、「事務事業の適正な執行の確保」を提言しました。

2つ目の提言である「事務事業の適正な執行の確保」については、

(1)「公益通報者保護制度」(内部告発者を保護する制度
(2)職員以外の者から職員に対し、その職務上の行為をさせるように、又はさせないように要望、依頼等のいわゆる「働きかけ」に対する適切な対応
(3)暴力団等が不正な利益を得る目的で、行政機関や職員に対して行う「不当要求行為等」への組織的な対応


の3つを掲げました。

不当要求や働きかけはなかったとする高槻市

私は、上記の3つの制度・対応について、これまでどのようなことがされたのかを調べるために、情報公開請求をしたのですが、上の写真のとおり、「該当する事案がなく、請求に係る文書を作成していない」との結果でした。つまり、高槻市は、内部告発も働きかけも不当要求行為も、なかったとしているわけです。

ところで、今年の3月1日に、同じ高槻市議が、あっせん収賄の疑いで事情聴取された件について調査したところ、次のような平成19年6月に行われた開発審査会の議事録が出てきました。
(この件は、市の許可なしでは宅地開発できない市街化調整区域の土地について、市議が、開発業者に便宜を図るよう、市の担当者らに圧力をかけたものと、新聞記事・テレビ報道などではされています。)

高槻市開発審査会の議事録

(前略)
委員:同じ地区で取り扱いが異なるのは、今後問題になりませんか。
市 :道路管理者の依頼による今回限りの処置ですので、今後はこのような取り扱いはしません
委員:道路管理者の依頼とは、どういうことですか。

市 :過去の経緯を説明し理解を得る。

(中略)
委員:道路管理者は誰ですか。
市 :高槻市です。
(中略)
会長:それでは・・・同意します。(後略)



今回限りの処置」などというものを行政が認めるということについては、非常に問題があるはずです。この議事録には、報道されたような市議による働きかけについては書かれていませんが、このような特例的な処置をする裏には、特殊な事情があることがうかがわれます。市の担当者も、市議から何十回も電話による依頼があったことを認めています。

これを、高槻市は「働きかけ」と認めないのかもしれませんが、「職員以外の者から職員に対し、その職務上の行為をさせるように、又はさせないように要望、依頼等」という「働きかけ」の定義からすると、十分に該当すると考えられます。

議事録だけを見れば、市議の影は見えず、むしろ「道路管理者」=「高槻市」による依頼が明記されているので、市長の関与がどのようなものであったのかが、非常に疑問を覚える部分です。市長に対しても、市議などから、何らかの働きかけがあったのかもしれません。

いずれにせよ、高槻市は、「個人情報等適正管理検討委員会」の提言どおり、「働きかけ」に対して適切な対応をしなければならなかったのに、これを怠ったのではないでしょうか。

この委員会がつくられたきっかけとなった公園墓地当選者名簿流出事件についても、関係した市職員の方は真相をお知りのはずですが、結局、真実は未だに明かされないままです。事件のたびに調査委員会だ何だと形だけは作る高槻市ですが、「透明」とか「公正」とかいう言葉からは、まったく程遠い状況であると言えます。

ここにも、幽霊運転手事件・公文書改ざん等と同様、現在まで連綿と続いてきた高槻市の隠蔽的な体質が現れています。

市の職員の皆さんの中にも、もちろん、こんな情けない体質ではいけないと考えておられる賢明な方がおられると思います。そうした市職員の方や、市民の皆さんと共に、そろそろ、きれいな市政をつくらないといけない時期にきているのではないでしょうか。