広報たかつきで「黒字」とされてますが、実は、実質単年度収支は赤字の高槻市。

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高槻市民の皆さんのお宅には、最近、「広報たかつき」10月10日号が、ポスティングされたかと思います。

この「広報たかつき」では、高槻市の財政は「健全性を維持」し、「実質収支5億2500万円の黒字」などと書かれています。

しかし、自由民主党議員団きっての改革派・吉田稔弘議員が、9月29日の高槻市議会本会議で、「黒字などと言うのはおかしい。高槻市は、家計で言えば、貯金を取り崩したようなもので、平成19年度の実質単年度収支は赤字ではないか!」と厳しく指摘していました。

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確かに、「広報たかつき」をよく見てみると、最後の最後に「財政調整基金」などを取崩し、基金全体で10億4900万円減少したなどと書かれています。これはどういうことなのか。

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上の写真は、高槻市監査委員の「決算等審査意見書」ですが、平成19年度の実質単年度収支は、5億6526万円の赤字となっています。同意見書には、これについて、


 普通会計(中略)の決算収支は、歳入歳出差引額で10億5011万8千円、実質収支で5億2522万7千円の黒字になっている。
 これに前年度実質収支、財政調整基金への積立て、取崩しを勘案した実質単年度収支は5億6526万3千円の赤字である。
 実質収支については、昭和58年度以降連続で黒字を維持する一方、実質単年度収支は、平成5年度以来14年度ぶりの赤字となった。これは、前年度に大口の法人倒産により約20億円の不納欠損処分が行われたことが影響し、普通交付税が大幅な減少となったことが一因となり、財政調整基金を取り崩さざるを得なくなったためである。(後略)



としています。

つまり、高槻市は、貯金にあたる基金を取り崩して、やっと黒字を維持したわけです。大口の法人倒産という不運もあったかもしれませんが、吉田稔市議が鋭く指摘したとおり、これでは、世間の感覚で言えば、黒字ではなく、赤字です。

こんな状態で、よく、農協に対して違法に2億5千万円もの補助金を出そうとしたものです。もし2億5千万円を出していたら、さらに傷口は広がっていたことでしょう。

今年度の財政の状況はどうなのか分かりませんが、劇的に改善するとも考えにくいと思います。12月議会には、関西大学へのさらなる支援のための補正予算案(無償提供するための土地の購入費)も提案されると思われますが、これについても、奥本市長には、考え直してもらわなければならないのではないでしょうか?