【ヤミ退職金】敗訴判決を認容するならば、奥本市長は自らヤミ退職金を返還し、元市職員にも返還を求めよ!

ヤミ退職金のカラクリ

昨年12月議会の冒頭で、奥本市長は、ヤミ退職金訴訟の敗訴判決について、次のように述べました。

★平成20年12月定例会開会に当たってのあいさつ

(前略)市が財団法人大阪府市町村職員互助会への支出した補給金のうち、退会給付金等の原資に充てられた部分が違法であるとして、平成17年10月に市長、水道・交通両事業管理者を被告として提訴され、昨年11月の第1審判決で勝訴していた事件についてです。

 原告が判決を不服として大阪高等裁判所控訴しておりましたが、本年10月30日、互助会の給付事業のうち退会給付金と在会慰労金を違法とし、市が互助会に対し総額2億94万2,312円の支払いを請求するよう判決が出されたものであります。

 退会給付金等が違法とされたことは遺憾ではありますが、その他の給付事業は適法と判断され、一定の主張が認められているところがあることから、本市といたしましては本判決を認容いたしました。(後略)



私はこれを見て「おやっ?」と思いました。

一審は勝訴だと言いながら、二審は敗訴と言わない。また、互助会の給付金の中で「退会給付金(ヤミ退職金)」と「在会慰労金」の違法な給付が約73%と過半を大きく超えているのに、「その他の給付事業は適法」という言い方で、違法な給付金が、そんなに大きくないような印象付けをしています。

こういう表現の仕方には非常にごまかしを感じます。奥本市長は、某テレビ局の編集が恣意的だとして取材拒否をしたわけですが、高槻市だって自分の都合のいいことしか言わない。このように高槻市は、市民に誤解を招くような表現をしているのですから、マスコミの姿勢を批判する資格はありません。せめて判決文を全文載せればどうかと思うのですが。


私は12月議会で、奥本市長自身は、互助会から「退会給付金」や「在会慰労金」を受け取ったことがあるのかも質問しました。すると、「奥本市長も互助会の給付対象となっていた」というような答弁。つまり、奥本市長も違法な「ヤミ退職金」を受け取っていたわけです。


ヤミ退職金訴訟の敗訴判決を認容することを決裁したのは誰なのか。職員の方に訊くと、奥本市長だとのことでした。ヤミ退職金が違法であるという判決を、奥本市長が受け入れたのですから、ご自身が受け取った違法なヤミ退職金については、返還すべきではないのでしょうか。

これは法律的には難しいのかもしれません。しかし、市長という立場でもあるわけですから、道義的に、違法なヤミ退職金を返還なさるべきではないかと思います。そうやって範を示して、ヤミ退職金を受け取った元市職員に対しても、ヤミ退職金を返還するよう、呼びかけるべきではないでしょうか?

そういうふうにも質問したのですが、「法的には疑問だ」というような答弁があったのみでした。

上の図のように、10年間で34億円の補給金が互助会に交付され、その約7割が、違法なヤミ退職金などとして、高槻市職員のポケットに入ったわけです。どうしてこれを取り返せないのか。どうしてこれを誰も返そうとしないのか。まったく腑に落ちません。やはり、役所出身の市長では、このような問題には斬り込めないということなのでしょう。