「市民税10%減税」より、その分で借金返済すべきかも。

今城塚古墳のガイダンス施設の(仮称)今城塚古代歴史館

名古屋市に続き、半田市長選挙でも「市民税10%減税」を掲げた候補が当選したとのこと。

現在、大阪府和泉市で行われている市長選挙でも、辻ひろみち候補が、市民税・水道料金の10%削減を掲げているそうです。

我が高槻市で、市民税を10%減税すると、歳入はどれだけ減るのか・・・平成21年度予算で、市民税は241億9404万3千円となっていますから、減収分は約24億と考えられます。

24億円を削ろうとすると・・・医療・福祉・教育等は削りにくいですから、箱物や補助金の見直しをまず行うのが常道でしょう。

そういえば、昨日も議会で質問した、今城塚古墳のガイダンス施設の(仮称)今城塚古代歴史館という箱物の予算は、24億5千万円です。この予算は2か年度にまたがり、既存施設の解体費用も含まれ、入札の実施で実際の支出は少なくて済む可能性もあり、国からの補助金もあるので丸々市の負担というわけではないですが、市民税10%分というのは、これくらいの規模の建物分ほどだという感覚をつかむうえではちょうどよい例かもしれません。

ちなみに、昨日私は、第5次の当初契約と変更契約と第6次の当初契約の工事について、どの部分とどの部分が分離不可能なのか、という質問をしました。高槻市は第5次工事の変更契約を行う際、増額率が33%を超えているのは(原則30%までしか増額できない)、「現に施工中の工事と分離して施工することが著しく困難なもの」だからという答弁をしたからです。第6次は第5次の続きであるとしか言い様のない工事ですから、高槻市の論理でいえば、これも分離不可能であると考えられますから、その点はどうかと訊いたのですが、まったくまともな答弁はありませんでした。やはり規律違反の変更契約がされていたということです。

話を元に戻しまして、次に補助金の見直しで考えると、これは先ごろ執行されてしまいましたが、関西大学の新キャンパスのグラウンドに「防災空間の確保」だとかこじ付けを言って支出した約29億円みたいなものも、やめようということになるのではないかと思います。

市民税を10%減税することについて、具体的にどこを削るべきだろうと考えると、不必要な規模の箱物をつくったり、訳の分からない補助金を出したりしているような地方自治体では、税金の無駄遣いを見直す良いきっかけになるのではないかと思います。

河村たかし名古屋市長マニフェスト

河村市長マニフェスト

そもそも河村たかし名古屋市長が市民税10%減税を言い出したのは、マニフェストによると、市民の生活支援と無駄の根絶のためとのことなんですが、さらに、テレビでは、「もし行政の無駄を省いても、その分の税金を別のところに使ってしまうのが行政だから、市民にお返ししたほうがいい」ということもおっしゃられていたと記憶しています。

確かに一理ありますが、私は、市民税10%分を、市の借金の返済にあてるほうが良いのではないかと思います。借金の利息も、市の負担・市民の負担になりますから、できるだけ早く返済して、利息分の負担を軽くすれば、長い目で見れば、市民のためになると思います。借金の多い自治体は、「市民税10%減税」よりも、借金を減らして、我が街が夕張のごとく破綻しないようにするほうが、住民にとっても絶対に良いはずですし。

でも、「市民税10%分で借金を返させて下さい。」というのは、なかなか有権者には分かってもらいにくい話かもしれません。10%減税というほうが、受けはよいでしょう。それより「定額給付金を配ります」というのがもっと分かりやすいのでしょうけれども(笑)。(定額給付金は事務に非常にコストがかかるので、減税の方が政策としてよいと思います。景気を刺激するなら、消費税の期限付き減税が一番だったのではないでしょうか?)。

地方自治体の借金も大変な問題ですが、国の借金も深刻な問題です。国の借金は、「日本の借金時計」によると、現在約940兆円とのこと。

政府は、バラマキをするより、この国の借金を何とかする道筋を示してほしいものです。借金ができる限界がどこまでかは分かりませんが、一昔前のアルゼンチンのようにデフォルトとなれば、日本全体が夕張よりもひどい状態になる可能性もあります。夕張の場合は、国や他の自治体が支援してくれました。しかし、日本国が破綻したら、おそらく中国やアメリカあたりにハゲタカのように食い散らかされるのがオチでしょう。

私が総理大臣なら、とりあえずは「国会議員と官僚の年収を10%カットし、その分を借金返済に充てます。」と、そういう方針を示しますけどね。その後も徹底して無駄を削減して、地方分権を進めて、できるならインフレターゲットを行ってみたいですね。もっとも、私は総理大臣はおろか、国会議員にもなれませんが(笑)。