主催は宗教団体!広報たかつきに掲載された展示会の問題

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約1年前に発行された広報たかつき平成20年6月10日号に、以下の記事が掲載されていました。

平和への大道展
7月1日(火)~6日(日)の午前10時~午後8時(1日は午後1時から)にJAたかつき本店(城北町一)で。対話や文化交流、教育交流の大切さを訴える展示。無料。同高槻展実行委員会



これを読む限りは、実行委員会形式で行われている平和に関する展示会だと、誰もが思うはずです。

けれども、実は、このイベントの主催は、宗教法人創価学会だったのです。

この展示会の案内には、以下のように書かれていました。


平和への大道展
 心と心をつなぐもの

平和ほど大切なものはない―
その願いを胸に、一歩ずつ歩んできた池田SGI会長
人類の幸福と平和を求める道のり
今、多くの友が続く

愛情の経済を提唱したヘンダーソン、
20世紀を代表する歴史家トインビー、
中国の指導者周恩来を始めとする心温まる出会いの数々
文化・教育の橋を世界に架けるための苦闘
日々、世界の青年たちと織りなしている珠玉のエピソード
池田SGI会長の思想と行動
それは人と人を結び、心と心を通わせた美しい友情の物語

2008年7月1日→7月6日
JAたかつき本店ビル2F コミュニティーホール

主催/創価学会 平和への大道展 高槻展実行委員会
後援/(財)高槻市文化振興事業団・(財)高槻市都市交流協会


※SGI=創価学会インターナショナル

つまり、この展示は、池田大作SGI会長の対話録のような内容であり、池田大作氏が主人公であると言ってもよいようなものです。上記の文章を素直に読むと、「平和への大道展」の大道とは、池田氏が歩んできた大きな道であるということになると思われます。

この展示会を、正確に紹介するならば、(1)創価学会が主催であること、(2)池田氏が主役の展示会であること、この2点は絶対に記載しなければならないはずです。

それを、まったく記載せずに、さも単なる平和関係のイベントのように紹介するというのは、不当表示・偽装表示と言ってもよいと思います。

この記事を見て、「広報たかつきに載っているのだから、行政のお墨付きを得た平和のイベントだ」と思い、足を運んだ方がもしおられたら、宗教団体主催のイベントだということに驚かれたのではないでしょうか?

私はこのイベントそのものを批判するものではありません。高槻市の広報のやり方がおかしいと言っているのです。

このことを私は6月議会で質問したのですが、高槻市の答弁は「紙面の関係もあり、記事については簡略化して掲載している」といったものでした。

でも、主催団体を「同高槻展実行委員会」と9文字で表すより、「創価学会」と4文字で表すほうが、どう考えても短いはずです。実際の紙面を見てみると、この「平和への大道展」の段では、最後の1行が空白になっていました。ということは、まだ12文字分のスペースが余っていたのです。「池田SGI会長の・・・」と書く余裕は充分にあったはずです。

高槻市の答弁は苦し紛れとしか言いようがありません。


また、このような、宗教団体主催の、その宗教団体の最高指導者が主役の展示会を、行政が税金を使って宣伝することは、憲法第89条の「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、・・・これを支出し、又はその利用に供してはならない。」との定めに抵触する可能性もあります。


この記事は、広報たかつきの「催し」欄に掲載されたのですが、この「催し」欄に載るのは、高槻市や外郭団体の後援を受けているものだけです。

「平和への大道展」については、財団法人高槻市文化振興事業団と、奥本市長が理事長を務める財団法人高槻市都市交流協会の2団体が後援をしていました(後援名義の使用を許可する際には「創価学会」と明記しているのですから、創価学会の展示であると認識していたはずです)。

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後援の条件として、「政治的、宗教的活動に類する行為は一切行わないこと。」等とされていました。この「平和への大道展」は、宗教法人の主催で、その団体のリーダーの思想と行動に関する展示なのですから、「宗教的活動に類する行為」といえるのではないのでしょうか。

この外郭団体の後援決定についても、議会で質問したところ「それぞれの団体で適切に判断し決定されたもの」というような答弁でした。ルールの解釈上きわどいものは外郭団体に判断を任せる、というような高槻市の姿勢が透けて見える思いがします。


市民の皆さんに正確な情報を伝えなければならない広報誌で、まさかこんなやり方をしているとは思いませんでした。2度とこんな偽装表示はやめていただきたいものです。