さよならの季節

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最近印象に残った言葉。「長生きもしとうないが、でも、死にとうもない」。

90歳過ぎなのに頭もはっきりしていて、ついこの間まで自分でトイレにも行けたおばあちゃまが、少し体調を崩してトイレに立てなくなった。オムツを交換したとき、「おしっこもうんちも人の世話にならにゃいけん。自分じゃどうにもならん」と言ったのに続けて、「長生きもしとうないが、でも、死にとうもない」と職員にこぼしたそうだ。

老人ホームに入居しているお年寄りを見ていると、お正月が過ぎた頃から体調を崩される方が多いようだ。年を越して「ホッ」と気が緩んだところに冬の寒さがどっと寄せて来て、体に響くのか。もちろん館内は暖房を利かせていて、希望してお買い物に行く方以外は外気に直接さらされる機会もほとんどない。でも、どこか本能的に季節の移り変わりを感じているのかもしれないなあ。

体調を崩して、そして残念ながらご永眠される方もおられる。そうした「永遠のさようなら」は、やっぱりこの時期が多い。あともう少しで春のはずなのに。