登園許可証

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長女が溶連菌感染症にかかってしまい、2日ほど前から発熱や嘔吐があったのですが、本日お医者様から登園許可証をいただくことができ、来週からまた保育園に行けるようになりました。

今日は、吉田康人さんの政策発表会に参加するために仕事を休んでいたので病院に連れて行くことができましたが、次に次女がかかるかもしれないと考えると頭が痛いです(笑)。
 
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先日、高槻市役所で、非常に気持ちの良い職員の方にお会いすることができた。

きっかけは、3月2日付の読売新聞と毎日新聞に載ったこの事件。

毎日新聞高槻市 市営住宅修繕費を滞納」(18年3月2日)
 03、04年度 委託業者に1000万円

多年度にわたる市営住宅の修繕費を、高槻市が委託した建築業者に支払っていないことが1日、分かった。判明した03、04年度分だけで計1000万円を滞納しており、市は同日の市議会で「事務手続きに不備があった」として陳謝した。金額はさらに増える可能性があり、市は未払い分の確定を急いでいる。

市によると、急な入居者に伴う改修工事の増加などにより、予算枠を上回った分を業者が肩代わりしていた。滞納した一部は翌年度の当初予算で補てんしたが、担当者が代わった昨年10月に未払いが発覚。業者の日報などから判明した2年分を盛り込んだ補正予算案を同日の市議会に提案した。

同案を巡って、市議会では「支払い義務があるのは明確」などの意見が大勢を占め、賛成多数で可決された。市は、滞納の原因とともに、庁内の連携に問題がなかったかを調べる方針。★


市役所が支払いを滞納するなど、常識では考えられない話である。公金の管理がなっていないということになる。高槻市が金を支払えないほど財政が悪化しているわけでもない。むしろ財政的には健全な部類だと広報等で自負している。業者にしても、何故2年度に渡って1000万円という額を文句も言わずに肩代わりしてきたのか。この議会をたまたま傍聴されていた方から話を聞く機会もあり、どうしてこのようなことになったのか確かめるため、高槻市役所に情報公開を求めに行った。

市民情報課に問い合わせたとき、最初に応対してくださったのが、以前「高槻市職員と、名刺をめぐるバトル」に書いた職員の方。その後担当課長Aさんと連絡を取り合って話を伺った。

Aさんは昨年10月の人事異動で住宅課の課長に着任。前任者から事務を引き継いだ後、業者から「前任から聞いてるか」と問い合わせがあって、調べてみたところ滞納の事実を発見したとのこと。

何故こんなありえない話が起きたのか。それは、高槻市側が、業者に対して、日付のない請求書を出させていたからである。

市役所の言い分としては、業者の出してくる請求書は日付の間違いが多く、日付の前後が矛盾する場合も多かった。「日付が間違ってる。請求書を戻すから、書き直してくれ」ということをやっていたけれども、仕事の量が多いとそんなやり取りも煩雑になり、「役所で日付を書くから、日付を抜いて出してくれまっか」ということが市役所と業者の間で慣例になってしまったそうだ。

支払いに関しては、住宅課の予算担当職員が管理しており、課長が支払いを決定。財政課と合議して支出の確定行為(支出負担合意)を行い、請求から2ヶ月以内に業者に修繕費を支払うことになっていたが、実際は事後処理で財政課に書類が回っており、財政課は請求があった件や未払いの件を知らなかったという。

それをいいことに、修繕費がその年度の予算で収まらない場合は、翌年度分の支払に回すようになった。年度内の予算の範囲内で収まらなければ、補正予算をつけてもらって支払い、翌年度の予算を多めに見積もるのが筋ではないか。しかしそれをせず、問題を放置したままズルズルと来て、未払い分が溜まりに溜まり、滞納額は平成15・16年度分だけで1000万円に達していた。このことは、A課長の調べによって発覚したという。

業者も、役所から仕事をもらっている以上、払ってくれというのは言い出しにくかったのではないかとA課長は言う。

もしA課長が住宅課に就任しなければ、この件は闇に葬られていたかもしれない。次年度分の予算を多めに計上して、素知らぬ顔で業者に支払を済ませれば、事を荒立てぬようにできたかもしれないのだ。私は、この日付のない請求書の件を発見し、正直に申告したA課長のような人材を、高槻市は評価すべきだと思う。A課長は、話し方も率直であり、非常に好感が持てた。

現在、日付のなかった請求書には、全て日付を入れて、ほとんどを会計に回したという。また、課の人員を総入れ替えし、「今は一生懸命是正している途中」とのこと。私から名刺を奪い取った職員の方も、話してみればなかなか味のある人だった。A課長と共に、今後このような問題が起きないよう奮闘しているとのことなので、温かい目でしばらく見守りたいと思う。

ただ、奥本市長は前任者に対していかなる処分を下したのかが気になる。

また、契約についても問題を感じた。業者と交わしている契約は、高槻市にある4つの市営住宅すべての保守管理に関する契約であり、その特約事項として、修繕の必要が生じた際には、その業者が修繕にあたることとされているのだ。

その業者とは平成4年度から付き合いであるという。ある事情から最初は随意契約を行っていたのだが、平成16年度からは指名競争入札に変更。しかし、その業者が一番安い値段で落としてくるという。

その理由は、修繕に関する特約事項のうま味を知っているからなのではないか。保守管理だけでなく、修繕でも儲けられるということを。高槻市は契約の内容や保守管理の範囲を見直すことも検討すべきではないか。

「業者が下請けを管理し、そこが窓口になって全部捌いてくれる」「業者は何年もやっているので、プロ中のプロ」と、市役所はその業者の存在を重宝がっている。しかし高槻市役所側の「担当者がコロコロと替わる」ようでは、修繕内容や金額について妥当かどうかを検証しにくいのではないか。

民間なら、複数の業者に見積書を出させるのは普通だが、高槻市役所の一社任せの丸投げは問題ではないか。実際、忙しさのあまり、見積書も出させず、現場で「やってちょうだい、やってちょうだい」という時期もあったそうだ。保守管理と修繕と別の業者にすることも検討すべきだろう。

市営住宅の経緯もいろいろと聞かせていただいたが、本当の弱者が利用できるものにするよう、役所は努力すべきだと感じた。この事件を機に、高槻市役所は、様々なものに対する意識を一新すべきだろう。