第2回二学期制推進委員会の傍聴

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昨日、今年度第2回目の「高槻市学校園2学期制推進委員会」を傍聴してきました。

冒頭、教育長に就任したばかりの一瀬教育長が挨拶されましたが、「来年度、高槻全市で二学期制を完全実施する」と言い切ったことには驚きました。いつどのように決定されたのかは分かりませんが、教育長がこう言い切ったのですから、もう二学期制の実施は決定なのでしょう。今年の11月にパブリックコメントを実施するとしていましたが、男女共同参画条例同様、市民からどんな意見が出ようとも、押し切って実施する、というのが高槻市の方針なのでしょうな。

今回の「推進委員会」では、各校の担当者から、保護者や生徒との懇談について発表がありました。夏休みまでの学習状況を「補助簿」と称する(学校によっていろいろな名称がありますが)成績表のようなものと、生徒が自分自身を評価する「振り返りシート」といったものを使って、三者懇談や二者懇談で保護者や生徒に学習面と生活面について伝え、夏休みになすべき課題について話し合い、指導する。だいたいそのような感じです。

資料として、実際に補助簿等のサンプルを見ることができましたが、予想以上に良いものでしたので、その点では安心しました。

しかし、これらの補助簿などは、学校によって仕様がバラバラであり、中には、補助簿を配布しないとか、補助簿を作らず別の資料やそれまでのテストを示す、といった方針のところもありました。

教育委員会が出席者に配布した「昨年度の推進委員会における課題等の整理」と題した資料に、17の課題があったのですが、補助簿や定期テストの回数などは「学校の裁量を原則とする」とされ、授業や休みの日についても、教育委員会の承認を必要とするという建前でありながら学校の裁量を優先するといった雰囲気でした。

こういった状況では、かなり学校でバラつきがでるのではないかと感じます。「特色ある学校づくり」と言えば聞こえがいいですが、定期テストの回数・授業日数・生徒指導の質・評価のやり方・サマースクールの内容等によって、学習面・生活面で学校によって大きな「格差」ができる可能性もあります。

推進委員会を傍聴して感じたのは、モデル校でも、2学期制に熱心に取り組んでいるところとそうでないところがあることです。それは、代表として推進委員会に来ているたった一人の教師の言動・態度を見て私個人が感じているわけで、実態とは違うかもしれませんが。「この先生は緻密に考え、熱心に取り組んでいる」「この先生は威勢がいいだけでは?」「この先生はかなりいい加減だな」というふうに、出席した教師の方々を見て、それぞれの温度差を感じました。自分の子どもが通う学校がどれほど熱心にやっているかが心配なご父兄は、この「推進委員会」を是非傍聴してみてほしいと思います。

子ども達の学力の面で2学期制に反対している人がもしいたら、逆説的に、2学期制に懸命に取り組んでいる学校の方がよい教育を与えてくれるかもしれません(笑)。もし自由に学校を選択できるなら、ですが。

2学期制にするならば、特にそういった意味で、吉田康人さんの公約でもある「公立学校選択制」は必要だと考えます。保護者間の噂だけでなく、学校の実態を見て選択するために、各校を集めての、教育方針のプレゼンの場や授業見学会を設けることも併せて必要だと感じました。

これから夏休みに入っていきます。夏休み明け早々に定期テストを行う中学校もあるとのこと。先生達は夏休み中の継続学習について言っていましたが、夏休みでも学校に先生がいるといっても授業があるわけではないので、自分でやれる子と、やれない子・やらない子の差が激しくなるのではないかと思います。サマースクールも生徒全員が出席できるわけではないようですし。そこは子ども達の「自己責任」ということになるのでしょうか。

やはり知識の定着のためには、授業とテストの間に長期の休みを入れるのは良くないのではないかと考えます

今回はPTAの方も発言を求められ、意見を述べられていましたが、二人しかいないためか、先生達に押し切られていたように思います。保護者の代表をもっと増やさないと、学校関係者だけの視点になってしまうのではないかと危惧します。安易な二学期制導入に危機感を覚えられる方は、ぜひ一緒に傍聴に行きましょう。