高槻市立の小中学校のいじめの件数



今朝の産経新聞に、「僕も私も いじめ許さない」という記事が載っていました。

★【産経新聞】僕も私も いじめ許さない
高槻の中学生 交流会で意見交換  小学生も実施

 学校でのいじめによる子供の自殺が全国的に相次ぐ中、高槻市立の16中学校の生徒会役員らが参加した「いじめをなくすための中学生交流会」が13日、高槻市総合センターの市教育委員会室で開かれた。いじめに対する学校での取り組みの紹介や意見交換があり、最後に「『いじめ』を許しません」などとする「宣言文」を採択した。

(中略)第一中学校では、男女がペアを組んで相談しあうことで、同性の友だちには明かせない悩みごとを話しやすくする取り組みを報告した。

 また第四中学校では、校内アンケートを行っていじめの実態把握に努めていることなどを紹介した。

 続いて、いじめをしない▽いじめを許さない▽いじめを自分の問題として考える▽いじめをなくすため、つながりをつくる行動を起こす―の4項目の宣言文を採択した(後略)★



私が中学生の当時は、いじめの加害者側であった不良が生徒会の会長などをしていました。生徒会の役員をすると、内申書が良くなるとかで、先生が薦めていたような記憶があります(笑)。

それは置いて、こうやって、生徒会がいじめ撲滅に取り組んでいることをマスコミが報じてくれることで、いじめられている生徒が、生徒会に相談したりすることができるようになるのかもしれませんね。

今日は情報公開請求でいろいろと資料を高槻市役所から手に入れてきたのですが、高槻市の公立の小中学校でのいじめの状況についても、高槻市教育委員会から資料をもらってきました。



写真のように、個別のケースについて、簡単にまとめている表もありました。

年度ごとのいじめの件数は次のとおりです。18年度は半年分です。

高槻市の公立小中学校でのいじめの件数(高槻市教育委員会
  H14年 H15年 H16年 H17年 H18年(4/1~10/31のみ)
中学校 9件 12件 18件 16件 15件
小学校 11件 12件 4件 16件 25件



説明してくださった教育委員会の職員の方によると、いじめの件数は右肩上がりとのことですが、18年度については、いじめが原因での自殺が多く報道されたという事情もありますので、これまでいじめと認識されなかったようなケースもいじめとしてカウントされているのかもしれません。

その教育委員会の職員の方によれば、教師の指導力によって、いじめが起きる起きないの差は生じないのだとか。「じゃあ何のために教師はいるんですか?」と思わず聞き返してしまいました。

けれども、以下のような記事がありました。

【読売新聞】なれあい学級でいじめ多発、長期被害は小学生の3.6%

 のびのびしているが授業中に私語も見られる「なれあい型」クラスの方が、一定のルールが自然に形成され人間関係も親密な「満足型」クラスに比べ、小学校では3・6倍もいじめが起きていることが、都留文科大の河村茂雄教授らの調査でわかった。

 また、小中学校とも、「同じクラスのいろいろな人」からいじめを受けたという回答が最も多かった。河村教授らは、「クラスの状態を考えたいじめ問題対策が必要だ」と指摘している。


小中学生、6000人を調査

 この調査は、河村教授らが2005年度の4か月間、全国の小中学生計約6000人を対象に行ったもの。

 それによると、「長い期間いじめられて、とてもつらい状態」という子供が、小学校では3・6%、中学校でも2%いた。

 さらに、クラスの状態を、「なれあい型」、「満足型」、規則があって子供が教師の評価を気にし、活気のない「管理型」に分類して分析したところ、「満足型」のクラスでは、いじめを受けている小学生が100人中1・38人だったのに対し、「管理型」は3・4人、「なれあい型」では4・95人に上った。中学生でも、「満足型」の0・87人に対し、「管理型」は1・4人、「なれあい型」は1・79人だった。

 一方、「だれからいじめられているか」をたずねたところ、小、中学校ともに、「同じクラスのいろいろな人」がトップで、小学校では46・7%、中学校では27・8%を占めた。

 河村教授らは、「なれあい型のクラスでは、教師も軽い気持ちでいじめに加担してしまう可能性もある。いじめ対策でも、クラスの運営が大切なことを認識してほしい」としている。 (2006年12月5日 読売新聞)★



先生によるクラスの雰囲気作りによって、いじめの発生率も変わってくるということでしょう。市教委には、「いじめの発生に、教師の指導力は関係ない」と逃げてほしくはないですね。

いじめの発生状況には、そのクラスが、「満足型」か「管理型」か「なれあい型」かの分類もこれからは必要でしょう。そして、先生方には、いかにすれば学級を「満足型」にできるか、ぜひ研究していただきたいと思います。