マクドナルドが好きな理由

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先日、食事をとる時間もなく車で移動していたので、マクドナルドのドライブスルーに入りました。すると「サラダマック」と書いてあったので、新商品かと思い、大声で「サラダマックください!」とスピーカーに向かって注文しました。

ところが店員は怪訝そうな声。商品名をあれこれと出して「どれにしますか?」と訊いてきたのですが、こっちは何のことかサッパリ分かりません。しょうがないので、メニューに書いてあるハンバーガーを適当に頼みました。

あとで調べてみると、「サラダマック」というのは、「野菜と果物を使ったカラダにやさしい5種類の新メニュー」の総称とのこと。いやあ、恥をかきました(笑)。

健康的な「食」に関心をもっている人々からは嫌われている感のあるマクドナルドですが、私はマクドナルドが大好きです。きっかけは、高校生の時。友達のバイクを壊してしまい、修理代の10万円を弁償しなければならなくなりました。怒られるので親には言わず、新聞配達と引越しのアルバイトをして何とか返そうと試みました。世間知らずで金を稼ぐ能力もあまりない高校生のときだったので、精神的にかなり苦しかったのを覚えています。

引越しのバイトの帰り、ヘトヘトに疲れたうえに、腹が減ってどうしようもなかったので、マクドナルドに入りました。財布の小銭をかき集めると、何とかビックマック1個が買えるだけあったので、注文。ところが、うっかりビックマックを床に落としてしまいました。

ビックマックの肉もパンも、ドレッシングを接着剤のようにして、床にべったりと貼り付いています。これでは店の人に怒られるし、買い換える金もないしと、泣きそうな気持ちになりました。

すると、カウンターから店長らしき人が飛び出してきて、さっと掃除をし、新しいビックマックを作ってくれたのです。恐る恐る「お金はいいんですか?」と尋ねると、「いりませんよ」とニッコリ。

私は、この店長の行動に感動しました。こんな素晴らしい人間性をもった人が世の中にいるのかと、自分もこんな行動ができる人間になりたいと、そのとき真剣に思いました。それ以来、全国どこのマクドナルドのカウンターの奥にも、こんな尊敬に値する素晴らしい店長がいるのだという妙な偏見をもって、今日に至っております(笑)。

他にも、マクドナルドが良いと思う点は、厨房が見えることです。ファーストフードの店でアルバイトをしていた人が「あんな舞台裏を見たら、食べる気がなくなる」と語っていたことがあるのですが、その点マクドナルドは、肉を焼いたり、ポテトを揚げたりといった調理の様子を見ることができるので割と安心ができます。

また、嘉門達夫の「ハンバーガーショップ」という歌で揶揄されたりしていますが、マニュアルが徹底されているのは、むしろ私はいいと思っています。マニュアルによって教育されているので、高校生のアルバイトのスタッフでも、何となく信頼感がもてます。(マクドナルドで働いていた高校の同級生に、マニュアルどおりに対応されたのは、なんとなく辛く淋しかったですが・・・)

箱入り娘を育んでいるようなハイソな家庭でも、「マクドナルドなら、うちの子をアルバイトさせてやってもいい」と思われている方も多いように感じます。丁寧な言葉遣いや接客態度を求めるマクドナルドのマニュアルというのは、ある意味「躾(しつけ)」にも通ずるのではないでしょうか。

友達のバイクの修理代ですが、2ヶ月くらいで返すことができました。その後、若干お金も貯められたので、塞翁が馬といったところだったかもしれません。自分の子どもがもし、私と同じようなピンチに陥ったら、「マクドでバイトしてお金を作りなさい」と、多分アドバイスすると思います(笑)。