高槻市の就学援助率

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先日、高槻市の公立小中学校における就学援助率を情報公開請求してきました。結果は次のとおりです。

就学困難となっている児童生徒の比率の推移(%)
年度 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16
小学校 8.2 8.8 9.7 10.79 12.39 14.39 18.84 21.8 24.55 25.65
中学校 7.3 8.1 8.5 9.63 11.35 12.68 14.53 16.44 18.55 19.89



就学援助を受けている子ども達は10年間で約3倍に。平成17年度では、小学生の4人に1人が、中学生の5人に1人が、就学援助を受けています。

どのような援助を受けられるかですが、高槻市教育委員会発行の「平成18年度 就学援助制度についてのお知らせ」によると、

○学用品費・通学用品費・宿泊を伴わない校外活動費(月額 小学生:1050円~1250円 中学生:1990円~2180円)
○学校給食費(実費)
○新入学児童生徒学用品費(小学生:19900円 中学生:22900円)
○宿泊を伴う校外活動費の交通費及び見学料(小学生:3470円 中学生:5840円を限度として実費)
○修学旅行費の宿泊費、交通費、見学料など(小学生:20600円 中学生:55900円を限度として実費)
○通学費[小学校片道4km以上 中学校片道6km以上](実費)



などです。

では、どれほどの所得の世帯が、この就学援助を受けられるのか。借家か持ち家か、障害者がいるか母子家庭か等によって違うのですが、例えば4人家族で借家の世帯の場合、「基準表」によれば所得限度額は3,492,000円。ただしこの額は「所得控除後の額」であり、いわゆる年収に直すと、504万円になります。

<計算方法>
収入金額が「360万円超~660万円以下」の場合、給与所得控除額は「収入金額×20%+54万円」となりますので、「所得控除後の額=収入金額-(収入金額×20%+54万円)」。よって収入金額は、「収入金額=(所得控除後の額+54万円)÷0.8」で計算できます。(間違っていたら申し訳ありません)



504万円の年収がある世帯というのは、果たして貧困家庭なのでしょうか?

(平均年収のよいデータが見つからなかったのですが、このようなサイトがありました。平成13年で30~34歳の男性の平均年収は483万円、女性312万円。35~39歳の男性の平均年収は567万円、女性296万円)

★サラリーマンの平均年収
サラリーマンの平均年収
http://www.j-tgs.com/value/salary/


年々高まる就学援助率を持ち出して、「格差社会」を論じているのをよく見かけますが、それが適切かどうか疑問です。「高槻市がくれるというなら、もらっておこう」そういう感覚で、児童手当のように就学援助を受け取られる方も多いのではないでしょうか。

就学援助を受けているからといって、「負け組」だとか「貧困家庭」だとかレッテルを貼られたら、それこそその家庭にとってはよい迷惑でしょう。下手をすると差別を助長することにもなりかねないので、マスコミはそういう論じ方をやめるべきだと考えます。

・・・しかし、年収505万円だったら、むしろ損ですね(笑)。