2学期制推進委員会を傍聴しました

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今日の午後3時半から「高槻市学校園2学期制推進委員会」を傍聴してきました。

詳細は後日書きますが、2学期制を実施するにあたっての課題として出されたものは、ほとんどが2学期制とは関係のないもので、何故2学期制にしなければならないのか、疑問が増すばかりです。

委員長の仕切りはかなり良かったのですが、PTAの代表の方の発言が一切なかったのが残念でした。

会が終わった後、教育委員会の方と話しましたが、まったく納得がいきませんでした。「いったい、2学期制の言いだしっぺは誰なんですか?」と訊いても、シドロモドロ。忙しいとおっしゃったので、後日じっくりお聞きしたいと思います。

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<追記>

高槻市学校園2学期制推進委員会」には、20名ほどの委員(幼稚園・小中学校の校長会・教頭会等の会長、調査研究モデル校の校長や教員、PTAの代表、学識経験者)が参加。傍聴者は、私を含めわずか5名でした。

冒頭、立石博幸教育長が5分ほど挨拶しましたが、別の公務があるとのことで、すぐに退席。教育長は、委員長になる野口克海氏とは旧知の仲とのこと。

教育委員会の職員が「委員会の委員長は互選となっているが、昨年に引き続き野口先生でどうでしょうか?」と提案。異議なしとのことで、園田学園女子大学教授の野口克海氏が委員長に。

野口克海委員長の挨拶。
「昨年まで教授だけだったが、今年から中学・高校の校長にもなった。校長という仕事は、徹底してやれば24時間働くこともできるし、サボろうと思えば、徹底してサボれる。私は前者で行こうと、学校の前にワンルームマンションを借りた。

2002年、学校に二つの大きな変化が起きた。一つ目は週5日制の完全実施。それまで他の公務員は週5日だったのに、教師だけは週6日だった。先生の側から言えば、週休2日になるが、逆にこれまで夏休みにまとめ取りしていた休暇がなくなった

夏休みは生徒がいないからといって、仕事を休むことはできない。だったら夏休みは研修しろ、ということに。そのせいで、私は急に夏休みが忙しくなった。

ところが私が講師として研修会場に行くと、会場の前のほうの席には誰もいない。後ろの方の席で、研修が始まったら居眠りしてやろうというわけ。教師がそんな姿勢なら帰る、と私は言ったこともある。夏休みは、教師はいやいや研修漬けになっている。

子ども達の中には夏休みに海外に行ける家庭の子もいるが、ほとんど家から出ることのないような母子家庭の子もいる。夏休みの40日間、いやいや研修するより、そういう子ども達に向き合うほうがいいのではないか。それが2学期制の始まり

金沢・京都・仙台ではすでに2学期制が始まっている。

もう一つの大きな変化は、指導要領が変わったこと。相対評価から絶対評価に替わった。絶対評価とは到達度評価。

到達度評価になったことによって、3学期が問題になった。美術や音楽などは週に1回しかないため、3学期では全部で4~5回の授業で到達度を評価しなければならない。4~5回では、到達度を評価するのは無理。

そこで1学期100日、2学期100日で、美術・音楽等も絶対評価・到達度評価したいというわけ。

先進市では、2学期制を実施したことで、教師の意識が「自分達で学校を変えられるんだ!」というふうに変わった。文化祭と体育祭を併合して「学園祭」にし、1学期にもってきてもいい、というような提案もできるようになった。

やらされる2学期制ならやめましょう』と高槻市の教職員の皆さんには言いたい。前にも言いましたが。能動的で、特色ある学校づくりができるのであれば、2学期制を実施すればいいし、できないならやめましょう。

2学期制が成功するもしないも、効果が上がるも上がらないも、「2学期制でこんなことができるんじゃないか?」というアイデアが出せるかどうかにかかっている。

以上、『子どものためになる2学期制を考えましょう』という教育長の言葉を受けて挨拶しました」

副委員長は、委員長の推薦で高槻市立第一中学校の米津俊司校長に。

委員会次第の「6.平成18年度 2学期制の計画と課題」について、教育委員会より説明。

調査研究校(モデル校。2学期制を試行している学校・幼稚園)は、修正部分の掘り出しとさらなる研究。それ以外の学校は、明確なスタートができていないので、モデル校がやったことをやることになる。教育委員会は、課題を整理し指導する、と。

11月ごろシンポジウムと平行してパブリックコメントを実施。年末に実施案をまとめ、1月にパンフレットを全戸配布するとのこと。

次回委員会は7月18日。その次が9月8日で、このときに実施案を「揉む」と。4回目は2月2日。

各モデル校から個々具体的な課題など報告。

以下も各モデル校毎に列記しようと思いましたが、2学期制とは無関係と思える「標語」「(時に抽象的な)方向性」「取り組み」ばかり。将来的に不名誉にならぬように、校名と発言者名を伏せ、主な発言を挙げます。聞き間違い等はご容赦ください。指摘いただければ修正します。正確には後にアップされるであろう高槻市サイトの議事録をご覧ください。

中学校
○信頼作り・授業作りをしたい。授業改革・目指す学校像の具体化をしたい。生徒会の主体性を大事にしたい。
○「ジャスミン運動(J:授業を大切にする A:あいさつ S:掃除(美化) MI:身だしなみ N:ノーチャイム運動)」(←委員長「それ、いただき」)を実施している。
不登校が少なくなったような気がする
○2学期制によって荒れがでないようにしたい

小学校
○保護者と双方向でやり取りし、学校との信頼関係の中で、2学期制のメリットを示しながら、目指す方向を探っていく。
○保護者や生徒との1年の契約とも言える冊子を作り、年度初めの学校ガイダンスで説明。 
○情報共有による家庭・地域との連携。
○「評価のあり方」「授業作り」の中身について詰めていく。

小学校
○我が校では「学力」「うるおい」「家庭の教育力」を揚げている。
○家庭とのつながりを重視し、日曜参観や成績補助簿などで家庭学習・夏休み中の学習の手助けとしたい。
○サマースクールを開催し、パソコン教室や図工室・音楽室の解放をしたい。パソコン教室で調べ学習に役立ててもらいたい。
夏休み中に小6を全教員でみる日を設け、中学進学に向けて学力をつけられるようにしたい。

幼稚園
○朝の水遣りや折り紙などの親子体験を実施。夏休み中の6日間に遊び体験を行う。
○中学校の体育祭に参加していたが、6月に変更になったので、それまで参加できていた4歳クラスは(参加できるほど成長していないので)お留守番になった。

中学校
○2学期制を授業作りに活かしたいが、今年から試行しているので、子どもや保護者からの反応がまだつかめていない。
クーラーがあるので、7月末までみっちりと授業を行った
夏休みはクラブ活動が伝統なので、例年通りの夏休みにした
○9~10月が多忙になるので、テスト日を変えた。変えた結果は不明。
かなり忙しい時期と暇な時期があったが分散された。
○前期と後期の間の休みの2日間で子ども達の意識を変えられるかどうか。

小学校
○今年赴任したので昨年度の経緯は分からない。
通知表の改定と、夏休み前の懇談会に用いる成績補助簿の内容を今検討している。
○校区が広いので、サマースクール時の登下校の安全に悩んでいる
○サマースクールでは学習面やプール指導でどんな取り組みができるか検討中。

幼稚園
○夏休みに個人懇談をすることで、教師がゆったりできる。
○登園日を小学校と連動させ、7,8月の各3日間とした。
○夏休み明け前には、「幼稚園に行くだけで楽しい」と思われるような3日間にしたい。

小学校
○確かな学力・豊かな心を目指し、検討している。学びの姿勢を育てたい。
○水泳や日常学習の補充になるようなサマースクールも検討中。
○サマースクールは計8日間を計画。時間は8:30~12:00.学年単位で実施。
○ノーチャイムも実施したい。
サマースクールには生徒全員が出席できないだろう。そこが問題。
○やはり登下校の安全が問題。
7月と12月の懇談会用の学習状況の資料を準備中。7月の懇談会は様スクールとセットで午後2時から行う予定。2者懇談だけでなく、3者懇談も検討。

小学校
○学ぶ意欲が湧く授業作りを目指している。
○夏休みが今の課題。プール指導や補充学習をどうするか。子ども達が「来てよかった」「面白かった」と思えるものを用意したい。
通知表「あゆみ」を出すまで、学習状況を保護者にどのように伝えるか論議している。
○夏休みの安全が課題だったが、我が校では警備員がついてよかった。
○生徒達が行きたいところへ行って学習できるようにしたいが、それも課題としている。

幼稚園
○夏休み中に「ファミリーデー」を設け、土曜日には父親も参加できるような取り組みをしたい。
○「広場」として、地域の人との交流の場も設ける。
○預かり保育を実施する予定。
○それらを長期休業日にやるとすればどのような課題があるか検討中。

課題・計画の発表終了。

教育委員会より1学期と2学期を区切る基準を設けるための議論をして欲しい、とのことであったが、前期も終わっていない等の意見もあり、委員長の鶴の一声で、今回は決めず持ち越しに。

配布された「高槻市学校園2学期制推進委員会委員 名簿」に記載の委員の方々。

学識経験者 野口克海 園田学園女子大学
高槻市立中学校校長会 会長 下村昭夫 高槻市立第六中学校
高槻市立小学校校長会 会長 三木正博 高槻市立郡家小学校
高槻市立園長会 会長 吉永美恵子 高槻市立五百住幼稚園
高槻市立中学校教頭会 会長 橋本俊幸 高槻市立第九中学校
高槻市立小学校教頭会 会長 藤本政信 高槻市立北大冠小学校
調査研究モデル地域中学校長 代表 前田勉 高槻市立第七中学校
調査研究モデル地域小学校長 代表 西田隆 高槻市立五百住小学校
調査研究モデル地域小学校長 代表 皆川善行 高槻市立奥坂小学校
調査研究モデル地域小学校長 代表 檀上富雄 高槻市立柱本小学校
調査研究モデル地域幼稚園長 代表 浜田俊子 高槻市立磐手幼稚園
調査研究モデル地域中学校教員 代表 稲垣伸一 高槻市立如是中学校
調査研究モデル地域中学校教員 代表 吉川洋子 高槻市立第七中学校
調査研究モデル地域中学校教員 代表 戸田順子 高槻市立第八中学校
調査研究モデル地域小学校教員 代表 岡本史子 高槻市立如是小学校
調査研究モデル地域小学校教員 代表 宮内和孝 高槻市立三箇牧小学校
調査研究モデル地域小学校教員 代表 今泉弘 高槻市立奥坂小学校
調査研究モデル地域幼稚園教員 代表 山中正子 高槻市立柱本幼稚園
高槻市PTA協議会 代表 深堀基子 第六中学校 PTA
高槻市PTA協議会 代表 望月典子 第一中学校 PTA
高槻市PTA協議会 代表 記利香子 安岡寺小学校 PTA
調査研究支援校長 代表 米津俊司 高槻市立第一中学校
高槻市教育研究会 会長 中川省三 高槻市立磐手小学校
高槻市教育委員会学校教育部長 北口哲
(特別顧問)学識経験者 天笠茂 千葉大学