【今城塚】「随意契約隠し」「契約書隠し」で無駄な工事?

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今日から3月議会がスタート。高槻市議があっせん収賄の疑いで事情聴取を受けているせいか、議場などには多数のマスコミ関係者の皆さんの姿があふれていました。

おそらくマスコミ各社は議会の冒頭で市長が何か言うのを期待してたと思うのですが、市長はこの件に関して何も触れませんでした。

今日の議会で私は、議案第1号「史跡今城塚古墳第4次整備工事請負契約締結事項中一部変更について」に関して質問をしました。

この案件は、入札で決まった契約金額を増額しようというものです。増額の理由は、予期せぬ地盤の軟弱さがあったため仮設道路の工法を変更することと、国から補助金が下りたので、護岸列石の追加施工をするため、とのことです。

契約金額は1億7640万円から2億2920万1350円へ。増額分は、約5300万円で、率にすると、約30%。高額なだけではなく、増加率も非常に高いわけです。

こんな約5300万円も、入札の後で増やすというのは、やはりおかしいので、昨日の朝、建設部の担当者に電話で契約書と仕様書をもってきてほしいと頼みました。

で、昨日の午後2時に、議員控え室に来てもらったのですが、契約書の金額を書いた部分しか渡されませんでした。契約書の条項も、仕様書も、まったく見ないままで、契約の変更に関して審議しろというのも、それは無理な話なので、そのコピーと、国の補助金に関する資料を持ってきてほしいと頼みました。

その場ではコピーを用意すると約束してくれたのですが、午後5時ごろ電話があり、「上から持っていくなと言われた。情報公開請求してくれ」と言うのです・・・契約の変更を議案としているのに、高槻市は契約書も見せないのです。明日採決するのに、契約書も見ずに審議できるか!

この契約変更、地盤が軟弱だったので工事費を増額したい、というだけではなく、国から補助金が出たので、当初予定になかった約4600万円分の工事も追加する、というものでした。このことは、昨日の午後2時の時点で初めて聞きました。

この追加工事、どんなものかというと、当初の計画では、図の青色部分のとおり、墳丘の周りに「護岸列石」といって石を並べて墳丘の形が崩れない工事をすることになっていたのですが、さらに、赤色で示したように、鍵穴状の形になっている前方後円墳の墳丘の、その鍵穴の下の一直線になっている部分のところにだけに石を追加して並べるというものです。これに約4600万円をもかけようと・・・これは本当に必要な工事なのでしょうか???

余計に石を並べ足す、というのは、何の意味があるのかまったく分かりません。国からの補助金高槻市の財源というのは、当然税金ですから、こんな無駄なことに使われてはたまりません。

それに、この工事は当初は予定に無かった「別物の工事」であるわけです。だとすると、別途入札を行わなければならないはずです。130万円以上の工事は、原則として随意契約を行ってはいけないのですから。これは、まさに「随意契約隠し」の契約変更ではないでしょうか?

それにしても、工法変更による工事金額の増加の責任の所在は誰にあるのでしょうか。プロの、大手の土木業者が、あるいは設計会社が、どうして最初からその地盤に問題があることが分からなかったのか。設計するにあたっては、事前に調査して現地の状況を知っておかなければ出来ないはずですし、入札する業者も、自分が応札する金額で妥当なのか、その金額の範囲内で工事が完了できるのか、プロとして責任を持たなければならないはずです。もし、その部分に瑕疵がないというのなら、最初から、工事費の増額を狙って、安値で落札したのか、という疑いも出てきます。

こういうトラブルがあったときにこそ、どんな取り決めであったかと読み返すべきなのが契約書ですが、その契約書を見せてもらえないのですから、その点について何とも質問のしようがありません。契約上、何か不都合があるから、このような「契約書隠し」を行うのでしょうか?

私の質問の前に、公明党の源久議員も、入札で決まった契約について、安易に増額をするというのはいかがなものかと苦言を呈されていましたが、まさにそのとおりです。そんなことを簡単に認めてしまうと、せっかくの入札制度の趣旨・意義が失われてしまいます。私の質問の後でも、久保隆夫議員が「こういうことは全国的に問題になっている」旨発言されました。


私は質問の冒頭で、

この議案は、契約の変更に関するものであり、また、国の補助金の交付を受けて契約金額を増額する内容が含まれているにもかかわらず、担当部署である建設部ならびに社会教育部は、昨日、私に対して、契約書の提示および国の補助金に係る文書・資料の提示を拒みました。契約書も見せられず、また、契約変更の要因となる国の補助金に関する文書・資料も見せられず、どうやって十分な事前の調査や審議ができるのでしょうか。これらの高槻市のやり方に対して強く抗議します。

どうして契約書や国の補助金に関する文書・資料を、議員である私に見せないのか。その理由をお答えください。



と抗議をしました。

すると、それを聞いて他の議員各位も立ち上がってくださり、「議長、いったん休憩や」の声が多数飛び、休憩になりました。


休憩中、議長・議会事務局長・建設部長・社会教育部長が私の議員控え室に来て協議。休憩明けに、私に対して契約書等を公開しなかったことについて、建設部長が陳謝するという段取りになりました。

議会再開前に、議長が私の席に来て「建設部長に答弁させてそれで閉めるから、よろしく」と言いにきました。ところが建設部長は、「契約書は見せたが、情報公開請求に関して誤解があった」と、市役所に非がないようなことを言いました。私は抗議しようと思ったのですが、せっかく一生懸命事態の収拾に動いてくださった議長の顔を立てようと、黙っていました。しかし、この高槻市の姿勢には大変失望しました。

その後すぐに採決があり、賛成多数で、この珍奇な契約変更が決まってしまいました・・・


この議案の次は、3月の補正予算に関しての審議。私は、JAたかつきのビル建設に対する補助金と、南平台に新設する保育園の事業者の選定に関して質問しました。

私は「農協の一般市民向け貸室事業は違法であり、違法な事業に補助金を出すことはできない」と指摘しました。それに対して、都市産業部長は「農水省に確認したところ、組合員を優遇するならいいとのことであった」と答弁。これまで一般市民の利活用としか説明されていなかったので「最初の説明と違うじゃないか」と突っ込みました。

この違法性については、後日書きます。

南平台保育園の事業者選定について問うたところ、「他に施設整備を図っているか」という項目が「-2点」になった理由を、市は、「その項目の点数は、全体の点数の5%程度としており、全体の点数の最高得点が約100点から40点になったことから、その分この項目の点数を少なくした」と答えました。

じゃあ、なんで18年度は、その項目が無いのか、18年度は0%じゃないか、と突っ込むと、18年度に関しては、現在訴訟を起こされているので、答弁は差し控えると・・・いつものワンパターンの逃げ口上です。

裁判だろうがなんだろうが、自分たちが福祉施設の事業者を決める際に責任をもってやったはずなのですから、ちゃんと議会で説明すべきではないでしょうか。それにしても、「5%」なんてルールは初耳です。

これについても詳しくは後日に。