その考えはマズイんじゃないかな?~民主党HPや選挙運動に関して~

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前回のエントリー「民主党比例代表候補者は、全員『当選取消』。」に民主党支持者と思われる方から批判的なコメントをいただいた。「この選挙で民主党を応援していこうと、もしかしたら選挙ボランティアか何かでがんばってられるかもしれないのに、このブログを見て大いに傷ついたかもしれないなあ」と、私も少し申し訳ないような気持ちになった。コメントしてくださった方は、実際にお会いすれば、非常に人情味のある人ではないかと思えるような文章でもあったし。 この方は、若い感性を持ちつつ、選挙の現場も大変によく知っておられる。「公職選挙法を守りきって選挙している人っているの?」・・・選挙に関わったことのない一般の有権者の方々は知らないだろうが、大政党の候補者の選挙活動においても、かなりの公職選挙法違反が見受けられる。写真は私が出た衆院補選時に阪急高槻市駅前に貼り出された違法な選挙ポスターの数々。自民、民主、共産の各党が、ガードレールなどの公共物に無許可でポスターを大量に貼り付けていた。「金も組織もあるのに、何故違法なことまでもするのだろうか。そこまでして選挙に勝ちたいのか。政治家としてのモラルはどこへ行ったのか」・・・実にやりきれない思いだった。 どんなことが選挙違反なのか。上述した公共物への無許可ポスターや、朝8時以前あるいは夜8時以降のビラ配りなどの選挙活動(朝8時から夜8時までしか選挙活動はできない)、腕章をつけずに行う選挙運動、演説をしていない場所でのビラ配り、選挙ビラのポスティング(新聞折込は可。選挙前の政党・団体のビラのポスティングは可)。これらは私が実際にやっていたのを見たものである。他にもグレーゾーンと思われるものがたくさんあった。 公職選挙法がおかしいと思うからといって、これを破っていいわけがない。相手陣営にもこの法が適用されているのだから、その点では一応公平である。 民主党が公示後、選挙期間に入っても党のサイトを更新した件についての新聞報道。 ★【朝日新聞】「HPで運動は違法」 総務省が民主に回答 http://www.asahi.com/politics/update/0903/002.html 総務省は「選挙期間中にホームページ(HP)を書き換えることは、選挙運動のためと認められる場合は、公選法に違反する」「選挙運動期間中の街頭演説を掲載した場合は、公選法に抵触するおそれが強い」との考えを示した。ほぼ、クロ認定である。 一方、コメントにいただいた自民党の件については、昨日の産経新聞朝刊に記事(写真)があった(産経のサイトにはなかった)。 --------------------------------- ★【産経新聞】民主質問状に総務省が回答 公選法解釈変わらず <前略> 自民党関係者のブログ(日記風サイト)に、小泉首相の遊説に関する記事が掲載されているなどの指摘に対し、「HP」に選挙運動にわたる内容を掲載することは、公選法の規定に抵触する恐れが強い」と自民党に通知したことを明らかにした。」 --------------------------------- 民主党は「政党そのもののサイト」、自民党の方は「自民党関係者のブログ」である。関係者個人ならともかく、政党本部自体がネットでこのような違法行為をするなんてことは、前代未聞ではないか。 と思ったのだが、産経の記事によると「民主党は四月の衆院統一補選の際にも、同様の選挙情報を掲載したが、何ら指摘がなかったと主張、公開質問状を送っていた」と、民主党は自ら前科を公開質問状で吐露。というか、この公開質問状は、開き直りも甚だしい。「前に万引きをしたが見逃してもらった。今回はどうして見逃してくれないのか」みたいな、虫のいい、甘えた考えである。前回も民主党有権者から違法なHPの更新を指摘されたはず(指摘されずともこんなことは選挙に関わった者なら常識)。どうして今回態度を改めることができなかったのか。民主党はホームページを持つようになってから何年になるのか。 政党本部が罪を犯せば、民主党の候補者全員に迷惑がかかるということを、考えなかったのだろうか。 選挙にはボランティアの方が手伝いに来られる。民主党には私の友人達もたくさん行っている。しかし、不正な選挙で、ボランティアの人たちのモチベーションが上がるのだろうか。「クリーンな選挙で勝利しよう」というほうが、圧倒的にやる気が出るはずだ。利権にまみれた議員を選挙で倒すのに、こちらも公職選挙法に違反したやり方でやるとなれば、どっちが悪だか分からなくなってしまう。そんなふうに法を軽視して選挙に勝った人間が、国会で法律を作るのか? いやしかし、そんなことよりも、せっかく善意かつ無償でボランティアに来てくださった人が、選挙事務所の指示で違反行為や「グレーゾーン」の行いをして、もし選挙違反で捕まったら、どうするのか。指示を出した事務所の人間や候補者は、そんな時どう責任をとるのか。 また逆に、選挙ボランティアの違法行為で、候補者の当選が無効になってしまったら、せっかく応援した意味がなくなるではないか。 そんな状態を「違法行為は選挙の常識」「グレーゾーンの行為なら捕まりはしない」「他の候補者だってやっている」という意識で放置していたら、危なくて選挙ボランティアなどできないしさせられない。「うちの候補者は、クリーンな選挙を戦います」と誓わなければ、一般の方々に安心して選挙ボランティアをしていただけないと思うのだが。 まるでサッカーのオフサイドトラップのように、「大丈夫だ」と思っていたものが、急に風向きが変わって「ダメだ」とされることも多々ある。たとえば、配偶者を議員秘書にすることや、公務員の諸手当や厚遇、法案に反対票を投じたら非公認になっちゃった、とか(笑)。善意の選挙ボランティアの方々に迷惑をかけて、人の道に反するような事態になることは、極力避けてもらいたい。