夕張市が破綻なら、この国だってとっくに破綻している。

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夕張市が約360億円の赤字で財政破綻した。この赤字額は、通常の年収(標準財政規模)の8倍に上るそうだ。

現在の日本の借金は、サンデープロジェクトでおなじみの財部誠一氏のサイトの「借金時計」によれば、約773兆円。これは国と地方の借金を併せた分だ。国だけで見ると借金は約600兆円。国の税収は約50兆円だから、借金はその12倍になる(特殊法人などの隠れ借金もまだあるかもしれない)。

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夕張市が年収の8倍の赤字で破綻なら、国のそれは12倍なのだから、とっくに破綻してたことになるのではないか。しかも、借金は今後もどんどん増えていく。

国は潰れないというが、いったいいくらまで借金を増やせるのだろう。国民の総資産が約1400兆円あるから大丈夫だと、ある国会議員が演説しているのを聞いたことがあるが、たとえば借金が毎年20兆円ずつ増えていったら、約30年で国民の総資産を食いつぶすことになる。毎年30兆円なら約20年だ。その時、日本の社会はどうなるのだろうか。

財務省は「国の借金の状況は?」なんてサイトを作っているが、頭のいい優秀な官僚なら、どうやって借金を返し、何年後に借金が完済できるのか、その具体案を示せよ。少子高齢化や人口減少の影響、特に労働力人口が今後大きく減少していく中で、プライマリーバランスを回復し、それを維持すること自体、実は非常に難しいのではないか。阪神大震災のような大災害が起きた場合、どうなるのか。

こういう状況を招いたのは、利権を求める政治家と、そんな政治家に群がる人間達だ。そいつらの口を塞ぎ、利権の構造をぶち壊さないと、いつまで経っても状況は良くならないだろう。そういうものを切り捨てるリーダーの果断さが必要だと思うのだが、なんだあの復党劇は?道路特定財源も、とっとと一般財源化しろよ。もっと構造改革をきっちりやれよ。

かつてのアルゼンチンのように、膨れ上がった借金のせいで日本が金融破綻し、預金封鎖され国民の資産は紙くずに。年金も介護も無くなり、先進国からも脱落。そうなってしまったら、中国などは、領土や資源などについてやりたい放題にやってくるだろう。アメリカはハゲタカのようにあらゆるものを買い叩き、米軍は、利用価値のなくなった日本を見捨てるかもしれない。金持ちは危機を察して早いうちに海外へ資産を移せるかもしれないが、一般人はなかなかそうもいかない。国が破綻すれば、国民の心は荒み、とても美しい国どころではなくなる。

「国家百年の計を考えれば」なんて偉そうに言う国会議員がいるが、とりあえず、10年後、20年後には日本の借金はどうなっているのか、どう借金を返していくのか、国会議員全員、まずそれを語れよ。