【今城塚】樹木の伐採範囲に要注意!---行政がこんなやり方をしてもいいのか?

10月10、11日の両日、今城塚古墳第5次整備工事に関する説明会が行われました。

これまでの説明会に比べて異例な、そしておかしな雰囲気の今回の説明会でしたが、それについては後半に書きたいと思います。

まず、皆さんにご注意いただきたいことについて書きます。それは、樹木の伐採範囲です。

私は高槻市議をしておりますが、高槻市から議員に配布された資料は、以前にも掲載しましたが、次のものです。

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これを見ると工事の箇所は、内堤については、南西の範囲と、誰もが思うはずです。樹木の伐採もこの部分であると。

しかし、これは、違うのです。

実際は、この倍ほどの範囲に生えている樹木が、伐採対象として契約書の図面に記されているのです。


ある高槻市議の方から、私に対し、樹木の伐採箇所について問い合わせがあったのですが、そのメールの内容を見ると、やはり間違った認識をされていました。

でも、市議ですら、このように間違った認識をしても仕方がないのです。何故なら、高槻市が、上記のような資料しか渡さず、伐採範囲をきちんと説明していないからです。


では、高槻市は、市民の皆さんに対しては、ちゃんと説明をしたのか。

住民説明会で配布された資料はこちらです(南の内堤の中ほどの斜線は私が書き込んだものです)。

史跡今城塚古墳第5次整備工事の説明会の配布資料

これだけを見れば、やはり内堤の工事の範囲は、南西部分であると思われます。

説明会では、この資料が配られただけではなく、パワーポイントを使っての説明もありました。

しかし、初日、樹木の伐採範囲については、パワーポイントの不具合があるような感じで、小さくしか表示されませんでした。

2日目の説明会では、この不具合が直され、ちゃんとパワーポイントで表示されるのかと思い、2日目も参加して確認したのですが、初日同様、パソコンを操作していた職員は、不具合があるような素振りで、他の説明画面より小さく表示をしていました。

画面の「樹木整理」の文字も極めて小さく(ビデオをよく見直してみましたら、スクリーンに映し出された「樹木整理」の文字が潰れて「木」しかまともに読めませんでした)、よくよく目を凝らしてみなければ、そこが残土処分のためのダンプの通り道なのかと、見間違っても不思議ではないようなものでした。

口頭でも並行して説明をしていましたが、伐採範囲については、まったく言及がありませんでした。

他と比べて小さな画面でしたし、口頭での説明もなかったので、後ろの席の方や、目の悪い方は、正しい伐採範囲が認識できなかった可能性が高いと思われます。

実は、伐採の範囲は、下の図の赤色の箇所なのです。これをほとんどの方は分かっていないと思います。

正しい樹木の伐採範囲

初日の説明会でパワーポイントに不具合があったのであれば、2日目の説明会では直せたはずです。簡単に直せたはずなのに、なぜ直さなかったのでしょうか。

それに、なぜ、土木工事を行う範囲以上の場所の樹木を伐採するのでしょうか?無駄な環境破壊行為であり、行政の暴挙だと言わざるをえません。

説明会では、やはり、樹木がどれだけ伐採されるのかに、たくさんの住民の方が関心をもっておられました。木を残してほしい、そういった声が何度となく上がりました。

市側は「できるだけ残す」としか答えません。ある市民の方が「平成18年12月14日の説明会では、90本残すと答えられていたが、90本より残るのか?」と尋ねられたのですが、「現時点では分からない」というような答えでした。

平成18年12月14日の説明会の議事録を見てみたのですが、90本というような数字は記載されていませんでした。しかも、この議事録は、すべて鉛筆書きで、以前現物を確認したところ、一度消しゴムで消し、後で書き直したような跡もありました。

市側は「木については、測量し、精査して、可能な限り残す」とし、11月中頃にはどれだけ残すか示すというような答えをしていますが、果たしてどうなるのか。伐採範囲の説明も不誠実なものでしたから、非常に不安です。

また、90本残すと言っていた、その根拠はいったい何だったのでしょうか?当時は本数を断言できたのに、どうして今は、本数を断言できないのでしょうか?


そのように、住民の皆さんが、樹木を残したいと強い気持ちをお持ちであるから、わざと伐採範囲を小さく表示し、口頭での説明では一切言及しないことによって、住民になるべく知られないように、分からないようにと、情報操作をして、土木工事の範囲以上の森林もこっそり伐ろうとしているとしか考えられません。


私は、樹木の伐採範囲について、住民の皆さんに知っていただこうと、説明会の最後に「1点だけ質問させてください」と手を挙げたのですが、何故か、司会進行をしていた連合自治会の役員の方は、大声で「お断りします!」と言って、閉会を宣言されました。

1日目も、私に対して「ここに議員がおるぞ」「議員は質問するな」「議員は議会で質問しろ」「おたくの名前は何というの?北岡?この議員は北岡というらしいぞ」「売名行為をするな!」といったような野次が飛びました。

今城塚の諸問題について詳しい議員が質問すれば、それは住民の皆さんのためにもなると思うのですが、私の質問を封じ込めたいような雰囲気でした。

他の住民の方に聞くと、野次を飛ばしていたうちの一人は、建設会社の社長さんで、この建設会社は、けっこうな金額の工事を、高槻市から請け負っているとのことでした。

工事の説明会を連合自治会が仕切るというのも、昨年の説明会ではありませんでした。このことについて、住民の方からも、疑問が呈されました。


「真の継体天皇陵」といわれている今城塚古墳は、全国的に見ても非常に貴重な古墳ですし、用地買収や工事などについては、多額の国のお金も使われています。自然環境を大切にしようと市民に訴えている行政がこのようなことをしていいのでしょうか。

全国の皆さんにも、ぜひ見守っていただきたい問題です。