【今城塚】21年9月議会・一般質問の原稿

質問を妨害された平成21年9月議会の一般質問の原稿は以下のとおりです。時間が奪われたので、2回目の質問(3回目に回したもの)の中には、実際には質問をしていないものもあります。

3回目の質問も用意していたのですが、残り時間が5分くらいだったので、市側の答弁の時間を考えると、できませんでした。

下の方に、1回目の質問に対する答弁原稿の画像を添付しましたが、まあ、お役所答弁といったところです。2回目の質問に対しても、あいまいな答弁しかありませんでした。住民に真正面から向き合おうとしない高槻市の姿勢が、今回の議会でもよく分かりました。

<今城塚・1回目>

3番目に、今城塚古墳の整備工事について、大きく3点質問します。

1点目は、近隣住民の方からの提言についてです。

先日、「高槻市長奥本務殿 提言書 私は今城塚古墳の近隣住民Fと申します。」という書き出しで始まる提言書が、市長や議員宛に提出されました。この提言書は、これまでの経緯なども書かれてあり、非常に分厚いものですが、提言としては、要するに、長年親しまれてきた風情ある今城塚の姿を完全に埋もれさせるのではなく、未着工の内堤の北側の一部を、現状のまま、経年の痕跡が目で見て分かる状態で残すべきである、と主張されています。この提言について市はどのように考えるのか。市の見解をお聞かせ下さい。

2点目は、工事前の調査についてです。

平成20年12月の議会で、小西議員からの「市民満足度調査を行っていないのではないか」というような質問に対して、「平成9年度に実施をしている」旨の答弁がありました。私も今年の6月議会で(仮称)今城塚古代歴史館の来館者のニーズ等について調査されたのかと尋ねたところ、市は「当然、過去、市民意識調査なども行いながら、高槻の歴史の重要性というのは認識していただいている」と答弁しました。

そこで、私は、市民を対象とした今城塚古墳や古代歴史館に関する項目を含む意識調査の結果を公開してほしいと、情報公開請求したところ、平成3年度と9年度の「高槻市市民意識調査 報告書」という文書が公開されました。新しいほうの平成9年度のものを見てみると、「今城塚古墳の整備・公開」という調査項目がありまして、その結果は、

・できるだけ古墳を当時の姿に復元する 20.0%
・歴史のロマンが感じられる整備をする 16.2%
・自然景観を大切にした憩いの場とする 43.9%
・古墳の復元や公園化などはせず、現状のままでよい 15.5%
・その他 1.1%
・無回答 3.2%

というものでした。

特に「歴史のロマンが感じられる整備」という選択項目は、かなり主観的で、調査の選択肢としては相応しくないし、私は現在の整備のやり方では、今城塚は「歴史のロマン」があまり感じられないものになってしまうと考えていますが、それを賛成に含めても、古墳の復元・整備を望んでいるのは36.2%。約6割の市民は、自然を大切に・現状のままでよいと答えています。現状の整備は、調査結果に反するものなのではないのでしょうか?お答えください。これが小さな1点目です。

小さな2点目として、そもそも、この調査の選択肢は、先ほど言いましたとおり主観的な要素もありますし、曖昧ですから、この調査結果を整備工事のあり方の根拠とすることはできないのではないでしょうか?整備工事に関する市民の意識を的確に調査したものとはいえないのではないでしょうか?この点についてもお答えください。

3点目は、国と高槻市の考え方の範囲や違いについてです。

昨年12月の本会議で、市は、「国も、公有化で国の補助金を入れる限りは、当然、国の考え方がございます。それを否定して国の補助は得られませんので、そういう部分においては、当然、国と連携を図りながらできる限り高槻市の宝である今城塚古墳を整備し、市民の皆さんに公開していく」と答弁しています。国の考え方が、今城塚の整備に随分と影響しているようですが、史跡の保存、公園化や公開のあり方、工事の方法に関して、国の考え方と市の考え方は、それぞれどういったもので、市はこれまで国とどのように交渉してきたのか。お答えください。

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<今城塚・2回目>

1.近隣住民からの提言について

(1)1回目の質問で申し上げた平成21年8月31日付けの住民Fさんの提言書については提出されてから約1ヶ月が経ちますが、市はどのような対応をされたのでしょうか。お答え下さい。

(2)平成20年12月19日には、この議場で、Fさんがされたアンケート調査の結果―――約70人の住民の方が、現状のやりかたに反対をしているという結果でありますが―――これを、私から春本地域教育監に直接手渡しました。これを読まれたと思いますが、この中の提言内容や調査結果について、どう考えるのか、またどう対応されたのか、お答え下さい。

(3)先ほどのアンケートは、平成20年12月3日の本会議において、春本地域教育監が「北岡議員がおっしゃっている地元住民という方がどのような方かということも私どもも、やっぱりこれからきちっと把握していかなければいけない」とおっしゃられたことがきっかけでした。その住民の方は身元の怪しい方ではなく、また偏った考え方をしているわけではないということを、高槻市行政が自分の身元調査を行う前に、自ら証明しようと、独自にアンケート調査をされたわけですが、その住民の方に対して、そうした発言をしたことについてどう考えているのか、また住民の方に対してはどのような対応をされたのか、お答え下さい。

(4)先ほどのご答弁では、保護盛土を施すということなので、住民の方の提言は受け入れられないようですが、そのように市の計画通りに今城塚古墳を公園化した後の維持管理費については、毎年、どれだけかかる見込みなのでしょうか。お答え下さい。

2.市民調査について

(1)春本地域教育監は昨年12月の議会で、平成9年度に市民意識調査を実施して、市民の皆さんの思いを調査している旨の答弁をされました。つまり、市民の皆さんの思いを尊重されているということだと思います。しかし、先ほど述べたとおり、最近近隣住民の方が調べられた結果では、市の現状のやり方には反対だという意見ばかりとのことでした。文化庁とは協議をされているようですが、住民の意識・意志はないがしろにされているようです。住民の納得は必要がないのでしょうか?お答え下さい。

(2)ご答弁では、平成9年度の市民意識調査で、「自然景観を大切にした憩いの場」という選択をした市民の方のご意見も配慮しているとのことです。私は、こんなあいまいな選択項目の調査はあまり意味がなく、この調査結果は市によって恣意的に利用されただけで、調査結果に配慮したという市の答弁もまやかしだと思っております。それではお聞きしますが、市は、第1次工事、第2次工事、第3次工事において、それぞれ、何本、今城塚の木を伐採したのか。お答え下さい。

(3)市民の意識を正確に把握・反映しないまま公園化をすれば、調査項目にあった「歴史のロマンが感じられる」ものにも、「自然景観を大切にした憩いの場」にも、ならないと思いますし、ましてや市外からの来訪者がリピータになるような観光資源・高槻市のブランドにはならないと思います。今からでもちゃんとした信用に足る調査をすべきではないでしょうか?そのような考えはないのでしょうか?お答え下さい。

3.国と市の考え方

(1)これまで今城塚古墳の樹木を大量に伐採されてきましたが、それは国の方針だったでしょうか。それとも高槻市が決めたのでしょうか。お答え下さい。

(2)市民に対する調査のあり方や、住民の意向をどれだけ汲むか、ということについては、国の考え方は、どういったものだったのでしょうか?お答え下さい。



どうとでも採とれるような、あいまいな市民意識調査の結果を持ち出して、それが「史跡公園の方向性を固める段階で大きな意味がありました」なんていうのは、詐欺みたいなものです。

もし本当にちゃんとした調査をやるんであれば、たとえば、完全に古墳が出来た当時の姿に復元するA案、現状の緑をできるだけ残したB案、最小限の史跡保護を施してほとんど現状のままにしておくC案とか、そういう具体像を市民に示して、どれがいいですかと、アンケート調査をするべきだったと思います。

平成9年の市民意識調査で「自然景観を大切にした憩いの場」という選択をした市民の意見に配慮したということなんですが、大量の樹木を伐採した事実とは、明らかに矛盾しています。

こういうやり方で、税金を何十億もつぎ込み、近隣住民の心を傷つけてきたことについては、憤りを感じます。

今回の答弁も、住民の皆さんを失望・絶望させるようなもので、本当に残念でした。

今回の件について、高槻市が、住民の皆さんに対して、反省も謝罪も示さないのであれば、法的な何らかの手段を考えざるをえないのかもしれません。